現在のテクノロジーの原点――50年目を迎えたメインフレームの起源とこれから

今年2014年は、コンピューターテクノロジーの歴史そのものともいえる、ある製品の発売開始から50年にあたります。System/360――「メインフレーム」と呼ばれ、世界中あらゆる企業や研究機関でその基幹業務を支えるコンピューターシステム、その起源とも言える製品です。

「50億ドルの賭け」に勝ったIBM

それまで、たとえば商用計算は商用計算、科学技術計算は科学技術計算と、用途ごとに異なるコンピューターが使われており、しかもそれらには互換性が存在していませんでした。コンピューターを動かすプログラムすら、利用するユーザー側が独自に開発することを強いられていたのです。

IBMはこの状況を解決するため、互換性のあるコンピューターの開発プロジェクトに巨額の予算と大量の人材を投入。上位モデルへのアップグレードが可能なハードウェアであるSystem/360、そして、世界初の商用オペレーティング・システム(OS)であるOS/360を開発しました。『Fortune』誌の記者、T.A.ワイズが「50億ドルの賭け」と評したこのプロジェクト。その成功によって、IBMは今に至るまでの大きな事業の核を手に入れたのでした。

50年を超え、メインフレームの進化はより加速する

とはいえ、この50年の間、メインフレームに変化がなかったわけではありません。むしろ、関連技術や素材の発展に最も敏感だったのがメインフレームの世界とすら言えるぐらい、時代の要請に応えた進化を続けています。ダウンサイジングが大きな潮流であった1990年代には、専門家から「メインフレームは必要とされなくなり、死を迎える」という予想すら出されていましたが、継続的な投資を続け、2000年代にLinux、Javaといったオープンなテクノロジーを取り入れていった結果、2014年の現在でもメインフレームは必要不可欠な製品として、世界中で愛されているのです。

50年前の発明がもたらした最大の変革は、ビジネスとテクノロジーの関係を、極めて密接にしたことでした。時は経ち、ビジネス・テクノロジー双方が大きく発展し複雑化した今でも、その関係性は変わっていません。現代では、2013年のOpenStackのサポートに代表される最先端技術の継続的な採用によって、メインフレームはより利便性を増しています。次の半世紀のビジネスも、支え続けるために。メインフレームとその関連技術は、その進化をより加速させていきます。