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トーマス・ワトソンJr.が会長職を退いて以降の1970年代~80年代は、人々の生活にコンピューターがますます浸透していった時代といえるでしょう。企業向けの製品にとどまらず、さまざまな異なる目的を持ったコンピューターが開発された時代でした。そんななか、IBMがパーソナル・コンピューターを発表したのは、1981年のこと。参入のタイミングこそやや遅かったものの、パソコン市場に参入したことは産業界に大きなインパクトを与えました。
教育、デザイン、研究支援、医療……コンピューターが多岐にわたる分野で活躍し始めた80年代に、IBMの取り組みもまた一般市民の生活を便利なものへと変えていったのです。

新製品がさまざまなジャンルで変革をもたらした

IBMが1981年にパソコン市場に参入したことは、業界にセンセーションを巻き起こします。その期待に応えるべく、参入翌年の1982年には、実に20億ドル以上の資金が研究や開発に投入されたうえに、ほぼ同額が設備投資にも使われ、かつてないほどさまざまな製品やサービスが顧客に届けられることになりました。

そのうちの1つが、1982年に発売された音声出力機能を付けたモデルです。このコンピューターで読み書きを学ぶ米国の幼稚園児や小学生は1万人に上りました。また、フランスの農協では、IBMの中型コンピューター「システム/38」が活用され、何千にも及ぶ農家やワイン生産者の会計や帳簿のシステムを改善するなど、IBMのコンピューターは国境を越えて、産業のジャンルを超えて、人々の生活に変化をもたらしたのです。

社会事業への取り組み

企業が、一般市民の生活をよりよいものにするためにできることは、画期的な新製品を開発することだけではありません。IBMは社会事業にも高い関心を持ち、職業訓練センターや身体障害者の全国支援センター設立の援助を始めとして、教育や医療関係への寄付を積極的に行ってきました。また、IBMヨーロッパや日本アイ・ビー・エムでは、科学や技術分野での賞を創設するなど、未来を変える科学技術へのサポートにも重点を置いています。さらに、名画展などの展覧会を各地で主催するなど、芸術に貢献することもIBMの伝統の1つだといえるでしょう。