変化する経営環境の中で今、どんな企業が成功するのか――。
IBMが2003年から行い、今回通算17回目となる企業の経営層への聞き取り調査「CxOスタディー・シリーズ」ですが、2013年の調査において、将来成功を収める企業の3つの主な特徴が次のように特定されています。
・顧客の影響力を受け入れ、経営に活かす
・デジタルと実世界の統合、このイノベーションの先駆者となる
・魅力ある顧客体験をデザインする
こうした企業の現状は、今回、インタビューに応じた世界各国の最高サプライチェーン責任者(CSCO)201人、最高人事責任者(CHRO)342人への調査結果にも反映され、CSCOとCHROがそれぞれの立場で、「顧客価値の共創(個客価値の共創)」により、企業業績に寄与したいと考えていることが明らかになりました。

CSCO:個客共創型のサプライチェーン構築のために

グローバル経営層スタディー CSCOレポート CSCOの顧客との連携強化を期待している割合

出典:グローバル経営層スタディー CSCOレポート 「個客共創型サプライチェーンの構築」P14 図13:密接なきずな

「我々の目標は、完全な透明性を提供すると同時に、顧客体験を個別化することである」と、米運輸会社のCSCOがインタビューで答えたように、多くのCSCOは、個客共創型のサプライチェーンを構築する重要性をすでに認識しています。

では、個客共創型のサプライチェーンの構築を実現するためには、どうしたらいいでしょうか。CSCOの任務として、次の3つのステップが必要であることをレポートは伝えています。

1. 可視性と洞察力の向上
2. イノベーションに向けたパートナーとの連携
3. 個客価値の共創への移行

多くのCSCOは、今後3-5年間で顧客との大幅な連携強化を検討しており、顧客が製品やサービスのポートフォリオ、さらには価格戦略に影響を与えることを認識しています。ただ、顧客を理解できていると答えたCSCOは35%に過ぎないのが現状です。
一方、高業績企業のCSCOは、顧客体験管理やe-コマースにより多くの時間を費やしています。企業における収益の拡大と収益性の向上のために、アナリティクスに基づき、テクノロジーによって実現するというアプローチが、現在、より高度にCSCOに求められているのです。

CHRO:価値共創時代において、より求められる戦略性

人事部門においても、今回の調査では、CHROは自らが「顧客との共創型」企業の実現に貢献できると考えており、人事部門が未来の「顧客との共創型」従業員を育成する上で、次の3つの重点分野が役に立つことがわかりました。
1. アナリティクスという科学的手法をタレント・マネージメントの領域に適用する
2. 企業の組織構造の中に、ソーシャルを活用する能力を醸成し、組織を超えた協業を促進させる
3. 社内外のパートナーと協働し、新しい価値の源を見つけ企業として新しい能力を提供する

グローバル経営層スタディー CHROレポート  ソーシャル・メディアおよびツールの活用実態の図表

出典:グローバル経営層スタディー CHROレポート 「価値共創時代の新たな期待」P8 図3:ソーシャルの活用

顧客が企業の一部として重要な役割を果たす時代を迎えようとしている中で、企業を構成する人的財産が、顧客との共創型の組織に変革するための大きな要因となることは明らかで、「変化をもたらす者として、我々が企業文化の抜本的改革を推進する」と、日本のテクノロジー企業のCHROは語っています。
ある米国のCHROは「問題は、データを素早く入手すること、データの保管・分析方法を知ること、データをもとにいかに迅速に方向転換するかを判断することである」とも指摘し、価値共創時代にHR機能にも新たな期待が集まる一方で、人財に関連するアナリティクスの分野は今後まずます重要性が高まるでしょう。

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