南カリフォルニア大学のアンネンバーグ・イノベーション研究所はIBMと共同で、TwitterやFacebookといったソーシャル・メディアにおいて行われる、さまざまなやりとりの動向をリアルタイムに解析するシステムを構築しました。
このシステムは2012年のアメリカ大統領候補による討論会でも実験が行われ、ほぼリアルタイムでの支持動向を表示することに成功。討論が及ぼす影響を逐一視聴者に届けることを可能にしました。

感情分析による政治戦略

国民感情は日々変わっていく経済動向、政治動向によって左右されます。選挙戦略や公共政策を考える上では、国民が何を不満に思い、何を求めているのかを知らなければなりません。それもできるだけ迅速かつ的確である必要があります。

TWITTER SENTIMENT ANALYSIS

出典:アンネンバーグ・イノベーション研究所

そのために、今や広く世界で使われているソーシャル・メディアの情報からユーザーの感情を分析する、ということは社会動向を探るために有効な方法です。アンネンバーグ・イノベーション研究所はビッグデータ・ソリューションに定評のあるIBMのサーバーとソフトウェアを活用し、リアルタイムでストリーム・データ(メッセージや投稿)から感情の変化を解析するシステムを構築しました。このシステムはソフトウェア「IBM InfoSphere Streams」を用い、TwitterやFacebookから送られてくるストリーム・データをフィルタリング後、自然言語処理プログラムによって発言が肯定的なのか否定的なのかを判別する、というものです。

導入による効果・期待

2012年のアメリカ大統領選挙の際には、共和党候補者の討論会では800,000人の反応をリアルタイムに分析、表示。また、最後の大統領候補同士の討論会では、Twitterでのつぶやきを秒間2000ツイート解析するなど、ほぼリアルタイムでの国民感情の分析に成功しました。また専門用語や皮肉をまじえた言い方を自然言語処理プログラムに学習させることにより、70%程度の精度で感情分析(肯定的か否定的かの判断)を行うことができました。

今後、自然言語処理プログラムの精度を高め、アメリカ国内の政治のみならず、感染症の流行が世界のどこで発生し、暴動がどこで起ころうとしているか、といった社会問題への対応も可能となることが期待されています。

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