2433_main

IBMは2014年に、世界最高となる1平方インチあたり85.9ギガビットの面記録密度をリニア方式塗布型磁気テープで実証しました。IBMが持つ磁気テープデータストレージにおけるイノベーションの歴史の深さと、リーダーシップを示す結果となっています。

安価で記憶容量の大きいデータストレージ需要の増加

日々膨大なデータが蓄積され続けている現在、一次記憶装置であるハードディスクにデータを保管することは、コストとインフラの両面からあまり効率的ではありません。ビッグデータの多くは、アーカイブ映像やバックアップファイル、災害時復旧用のレプリカといった保管データであり、それを補完するための二次記憶装置の需要が高まっています。
二次記憶装置としては家庭用ではCDやブルーレイディスクが主流ですが、実は企業や自治体で信頼性やコストの面から磁気テープが再評価されつつあります。実際、アメリカの82%の企業がテープストレージを用いており、ビッグデータのバックアップやアーカイブ化には、もはや欠かせないものとなっています。
磁気テープは、オフライン保管時に消費電力がかからず、またバックアップファイルの作成が速く、費用が安くすむため、一次記憶装置の座をハードディスクに渡してからも開発が行われ、用途を変えながら使用され続けてきたのです。

書籍1億5,400万冊分のデータ容量

IBMは富士フイルム株式会社と緊密に協力してバリウムフェライト(BaFe)磁性体をベースにした次世代のデュアルコート磁気テープの最適化を図ってきました。今回の記録はこの磁気テープを使い、記憶に必要なBaFe磁気粒子容積の減少、読み書きヘッドの改良、177ナノメートルのトラック幅の実現、1インチあたり0.6メガビットの線密度でのデータ読み出し技術という磁気テープ・システム4分野での特筆すべき改良の結果、達成されたものです。
1平方インチあたり85.9ギガビットの面記憶密度は、業界標準のLTOテープ・カートリッジに最大154テラバイトの非圧縮データを記憶させることを可能にしています。これは書籍にすると1億5,400万冊分に相当し、本棚に入れればネバダ州のラスベガスからワシントン州のシアトルまでに達するほどで、驚異的なデータ容量だということがよくわかります。

まだまだ高密度化への技術研究の余地がある磁気テープ容量

IBMアルマデン研究所の研究チームは、2014 Intermagカンファレンスで高密度化への技術研究の余地があることを示唆しています。微粒子媒体が限界に達しても、スパッタ媒体を用いることで磁気記録の高密度化を継続できる可能性が示されたのです。
この先も磁気テープの技術革新が、増え続けるビッグデータを支えていくことでしょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

関連記事