世界中のテニスファンが熱狂するウィンブルドン選手権。テニスをしない人でも、1度は耳にしたことのあるほどの歴史と伝統ある大会です。ロンドン南西部・ウィンブルドンで毎年開催されるこの国際大会では、最先端のIT技術がいたる所で使われており、スポーツ観戦の方法を根本から変えてしまうような挑戦的試みがなされています。今回は、ウィンブルドン選手権から、スポーツ観戦の世界で起きているパラダイムシフトについて考えてみたいと思います。

1. ビッグデータから試合の見どころが予測できる!?

ウィンブルドン選手権を楽しみたいけれど、どこに注目したらよいのかわからない……。そんな不安に応えてくれるのが、“IBM SlamTracker”というWEBサイト。ここでは、過去の対戦結果や勝利パターンなどの膨大なデータをもとに、勝敗を分ける最も重要な3つの見どころを自動で抽出してくれます。ビッグデータのおかげで、競技にあまり馴染みのない人でも、スポーツの醍醐味が理解しやすくなるというわけです。

IBM SlamTracker

IBM SlamTracker画面イメージ

2. “世界の声”がひと目でわかるソーシャル・メディア活用術

近年急速な広がりをみせるソーシャル・メディア。スポーツ観戦の世界でもその存在感がますます高まっています。ウィンブルドン選手権では、IBM SlamTrackerによってTwitterやFacebookといったソーシャル・メディア上の発言を集積。試合に関するつぶやきなどをモニタリングし、リアルタイムでWEBサイトに反映するしくみです。オンラインとオフラインをつなぐ施策として、選手を応援するつぶやきの割合を計測し、コート上での選手のパフォーマンスとの比較が行われることも。ソーシャル・メディアによって、会場にいるファンとモニター越しに観ている世界中のファンが、同じ感動を共有できるのです。

3. モバイルテクノロジーが実現するインタラクティブな観戦体験

モバイルテクノロジーの発達によって、インターネットとモバイル端末さえあれば、場所を選ばずにスポーツ観戦を楽しめるようになりました。ウィンブルドン選手権では、iOS・Android向けアプリが用意されており、試合のライブ・ストリーミングに加えて試合結果や選手情報などのコンテンツを楽しむことができます。モバイル端末の普及によって、TVやスクリーンなどの大画面と、スマートフォンとタブレットの同時利用によるセカンドスクリーン体験にも関心が高まりつつあります。大画面で試合を楽しみながら、手元のタブレットで選手の情報を見たり、スマートフォンからソーシャル・メディアで世界の声を確認したりする。そんな観戦方法があたりまえになりつつあります。

インターネットが普及した現在、世界を結ぶ共通文化としてスポーツはその重要度をさらに増しています。データ分析、ソーシャル・メディア、マルチデバイス対応といった最新デジタル技術と、スポーツ観戦がもたらすパラダイムシフトは、今後もさらに進展していくでしょう。

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