サービス向上をビッグデータから科学する―筑波大学に誕生した先駆的な研究拠点

サービス工学研究の分野で世界的にも先駆的な存在である筑波大学は、今までの研究成果をさらに深化させることを目的に、ビッグデータの利活用を進める研究機関を創設しました。IBMは、その研究において、ソフトウェアの提供やトレーニングを通じて、人材育成に協力していきます。

サービスを工学から考える

ところで、この「サービス工学」とはどのような研究分野なのでしょうか。それは、文字通り「サービスを工学的に研究する」学問です。
販売業や接客業、あるいは公共サービスといった、いわゆるサービス業の分野では、モノづくりとは異なり、さまざまな施策の成果や生産性を数値で計測することは困難だと考えられてきました。しかし、製造業からサービス業へと産業構造がシフトすることにより、サービス業の分野にも製造業同様の生産性、効率性が求められるようになっています。そこで、より満足度が高く効果的なサービスを実現するために、分析、評価、設計といった、製造業で導入されている工学的な視点をサービスの分野に取り入れたものがサービス工学なのです。

ビッグデータ解析が見せるサービス工学の新しい地平

そのような中、筑波大学が開始したのが「サービス開発・改善のためのビッグデータ利活用」という研究です。企業や地方自治体のような、実際にサービスを提供している組織が自分たちの課題やデータをもとに研究テーマを持ち寄り、筑波大学は外部の研究機関とも組んでそれらを分析、研究。そして、その結果を企業などにフィードバックしていきます。筑波大学は、パイオニアとして、ビッグデータを活用できる人材の育成を行いながら、10年後を目処に世界最高峰の研究拠点となることを目指しています。2014年12月からはIBMもこの考えに賛同して、IBM Academic Initiativeプログラムで使用可能なソフトウェアやWatson Analytics等のビッグデータ解析ソフトなどを提供しています。
このような、ビッグデータ解析に基づいたサービス工学の研究と実践が進むことによって、提供する側と受ける側の双方にとって、より最適化されたサービスが普及していくことが期待されます。

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