省資源型都市の実現を目指して――先端技術を活用した快適な街づくりへの取組み

資源、環境…さまざまな課題解決へ向けた動き

これまで、かつてない成長と繁栄を遂げてきた人類ですが、2011年には70億人を突破した世界人口は増え続け、2050年には90億人を超えると予想されています。同時に発展途上国の急激な経済発展によって、世界経済の規模はほぼ4倍に拡大し、エネルギーと天然資源に対するニーズが増加。エネルギー使用料は現在の180%にもなり、そのうち85%は枯渇が懸念される化石燃料でまかなわれる見込みです。

また、現在の新興国と同様の都市化が全世界で行われると仮定した場合、世界人口の70%が都市部に居住するようになることで、大気汚染、交通渋滞、廃棄物質管理などの現在も抱え続けている課題が深刻化していくと考えられています。

そのような状況下で注目を集めているのが、スマートシティです。これは、ITや環境技術などの先端技術を駆使して、快適で便利な暮らしを実現する省資源型都市で、世界のスマートシティ市場は、2010~2030年の20年間累計で4000兆円の規模にも達する巨大市場であるとされています。

ICTの活用で住みやすい街をつくる!

IBMは以前よりICTによる社会問題への解決に取組んできました。その中のSmarter Cities Challengeは、世界の都市にIBMの専門家チームを派遣し、雇用創出、輸送、市民の安全から医療、収益、社会福祉、公共事業にいたるまでのコンサルティングサービスを無償で提供し、住民の生活の質を向上させるため、都市の支援を行うプロジェクトです。
2015年から2016年の間に対象として選ばれた都市は16に留まりますが、今後、2016年の半ばには130を超える見込みです。そこでは、6600万ドルを超える価値があるといわれる、約800人のIBMの専門家によるコンサルティングサービスが提供されるのです。

さらに今回は、これまでのコンサルティングサービスに加え、初めてWatson Analytics Professional Editionを活用してさまざまな調査・分析を実施し、各種予測や計画に役立てたり、また、デトロイト、メルボルン、メンフィスの3都市では、Twitterのデータを詳細に分析することで、都市や住民の動向を詳細に調査することが可能になるなどの新しい取組みも進めていきます。

では、Smarter Cities Challengeの取組みの結果を何件かご紹介しましょう。

・台南(台湾)では、バスにおける4Gサービスの提供、インテリジェント駐車場、信号、タクシー・シェアリング・サービスといった、交通情報センターなどをサポート。
・バーミンガム(米国アラバマ州)では、サービスの行き届かない地域で、移動食品マーケットを実施。
・ヒューストン(米国テキサス州)では、住民が教育と公共安全の向上のためのリソースを活用したり、自分の意見を述べたりできる、オンライン・ポータルを作成。

IBMの専門家の支援により、世界中の都市でデータがより有効活用され、市民の参画、サービスの提供方法は大きく変化しており、より住みやすい街づくりが実現されています。IBMが擁する豊富な人材やこれまで行ってきたイノベーションやリソースが、多くの都市の課題解決にこれからも役立てられていくことでしょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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