自動車におけるIoTを支える技術

「つながるクルマ」という言葉で一般的になってきた、自動車のIoT技術。

IoTと一言で言ってしまうと簡単ですが、これは、さまざまな技術が複層的につながり合って実現しているものです。

たとえば、センサーが人や対向車、障害物などを検知する「センシング技術」、センサーが検知したものを人や他のデバイスに伝えるための「通信技術」、センサーや通信のやり取りの結果蓄積された大量のデータを分析し、価値ある情報にするための「情報技術」、そしてその情報の入手などを目的としてデバイスを操作する際の「アプリケーション技術」。

これらの技術のどれかひとつに不具合があっても、ユーザーが想定している結果を得ることはできません。特に自動車の場合、状況によっては人命にかかわる場合もあることも考えられます。そのため、どの技術においても高いレベルのものが要求されるのは当然でしょう。

そのような中、IBMは、ドイツに本社を置く世界最大の自動車部品メーカーのひとつであるContinental社に、自動車向けIoTソリューションを提供。これによって、Continental社は、地図情報やクラウド・ソーシングから提供されるデータを自社のナビゲーション・システムであるeHorizonと連携させ、道路状況を予測できるようになりました。

IBMのグローバル自動車業界担当ゼネラル・マネージャーである、Dirk Wollschlaegerは、こう話しています。

「自動車メーカーはほぼリアルタイムのデータを取得でき、ドライバーがさまざまな手段で活用できるよう、そのデータを提供しています。付近の駐車場を特定して最も効率のよいルートを検索したり、保守アラートを鳴らしてドライバーが予期しないことを予期できるようにするなどは、こうした活用の一例です」

SFの世界が実現する日

ところで、現在、自動車のIoTに関わっている企業は自動車産業をはじめ、通信業界やサービス業界など多岐にわたっていますが、これらのグループが最終的に見据えているのは、一度自動車に乗り込めば、ドライバーは何もせずとも、自動的に目的地に到着できる完全自動運転の自動車です。

現状では、自動車のIoTは地図情報やリアルタイムの道路情報といったビッグデータをクラウド・コンピューティングで収集、分析したうえで、個々のドライバーが必要とする情報を提供したり、あるはドライバーが気づかないところで安全運転の支援をしている段階ですが、2020年代後半には、そのような完全自動運転の自動車が実現するのではないかと期待されています。

ドライバー不要で、好きなときに好きな場所にいける自動車。現在の「つながるクルマ」が進化を続け、SFでしかなかったような世界が、あと20年もすればやってくるというのです。

自動車と人間が安全に共存できるクルマ社会が、すぐそこに来ているのかもしれません。

photo:Thinkstock / Getty Images