IoT情報でトラブルの種を事前に予測

「未来予測」は神秘の世界から実用技術の領域へ

かつて、未来を見通すのは予言者か占い師の役割でしたが、ITの進化と高度なデータ分析手法の発達によって、「未来予測」は神秘の世界から実用技術の領域へとその居場所を移しつつあるようです。

昨今、「ビッグデータ」というキーワードが世間を賑わせるようになりました。ビッグデータ活用に関しては、たとえば「過去の犯罪データの分析をもとに凶悪犯罪の発生を予知する」などといったセンセーショナルな事例も目につきますが、ビジネスの世界ではより実用的なレベルにおいて予測技術の活用が進んでいます。

データが「未来」を語り出す

2016年1月26日、株式会社IHI(以下、IHI)、株式会社IHI物流産業システム(以下、ILM)、株式会社IHIエスキューブ(以下、IS3)の3社が提供する自動倉庫の保守事業において、日本IBMが構築した保守サービス支援システムが本格稼働を開始しました。

このシステムは、作業履歴情報やセンサーデータからなるIoT情報を収集・分析し、故障予測、計画点検、遠隔監視といった高度な保守機能を提供します。

ILMではこれまでも、自動倉庫内の設備や機材の稼働状況をリアルタイムに監視してきましたが、保守サービスの高度化のため、各種データの分析・活用によって顧客設備の稼働率をさらに高めることが求められていました。

今回の新システムの導入により、各種センサーからの異常や稼働履歴を分析して機器の故障を事前に予測したり、それに基づいてより効率のよい点検計画を作成したりすることが可能となります。IoTから得られるビッグデータ、顧客設備の状況、作業員の出動履歴、報告書などをこのシステムで一元管理することで、故障対応品質の向上やコストの削減に繋がると期待されています。

IoT機器が吐き出すセンサーデータも作業員の報告書も、それ単体ではさほど大きな意味を持つものではありません。けれど、絶え間なく収集・蓄積され続けるデータを「アナリティクス」という眼鏡を通して眺めた時、私たちはそこから未来を見通す貴重なインサイトを取り出すことができるようになるのです。

photo:Thinkstock / Getty Images

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