Pepperとの双方向のコミュニケーションが実現する世界

アトムにかわってPepperが誕生!?

SF漫画『鉄腕アトム』の主人公、「アトム」の誕生日をご存知でしょうか?

アトムの誕生日は2003年4月7日――作者である故手塚治虫氏のイマジネーションの中では、感情を持ち、自由に動きまわる夢のロボットが今世紀のはじめには誕生していたはずでした。

2016年現在、アトムに匹敵するロボットは残念ながらまだ誕生していませんが、昨今のロボティクス技術とコグニティブ・コンピューティングの進化によって、ロボットを取り巻く世界は劇的な変化を遂げつつあります。

数あるロボット関連のニュースの中でも、ここ最近、国内でもっとも大きな話題となったのは「Pepper」の登場でしょう。Pepperはソフトバンクがフランスの株式会社アルデバラン社と共同開発した人型ロボットで、人工知能や人の感情を認識する機能を搭載し、世界初の「感情を持つロボット」として広く認識されています。

PepperとWatsonが手をつなぐ

2016年1月7日、IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス株式会社(以下、SBRH)は、Pepper向けのIBM Watsonを開発し、世界の企業に提供する計画を発表しました。

IBM Watsonは、初のオープンなコグニティブ・コンピューティング・テクノロジー基盤で、システムの感知、学習、経験を通じて人と同じように言葉の意味を理解するシステムです。PepperにIBM Watsonを搭載することにより、Pepperが人の話す自然言語を理解することが可能となります。

IBM Watsonのシニア・バイスプレジデント、マイク・ローディンは、次のように述べています。

「(前略)PepperについてSBRHと提携することで、より多くの人がIBM Watsonを体験し利用することが可能になります。コグニティブの機能を搭載したロボットとの実際のやり取りを経験したとき、人々が密接に携わりながら、新しくエキサイティングな価値をこの技術から見出すことを目の当たりにするでしょう」

21世紀の日本に、10万馬力のアトムはまだ生まれていませんが、人の言葉を理解するPepperが、人とロボットの明るい未来を照らし始めています。

photo:Thinkstock / Getty Images