IoTで進化する「余らせない、切らさない、腐らせない」新食材管理法

冷蔵庫や戸棚の中の食材管理は、一家の食卓を預かる者の尽きない悩みの一つでもあります。「牛乳が切れていたはず」と買って帰ったら残っていたり、逆に買い置きしてあると思っていたものが既になかったり…。

うっかり余分に買ってしまったからといって目くじらを立てるほど高額なものではありませんが、ちょっとした無駄も、度重なれば無視できない出費につながります。

「アレ、まだあったっけ…?」をITの力で解決

そんな食材管理にまつわる悩みをITの力で解決しようという試みは、さほど新しいものではありません。アプリマーケットを検索すれば、ユニークな工夫を凝らしたさまざまなアプリを見つけることができるでしょう。

しかし、そうしたアプリの大半が、食材の「入出庫」を手動で記録する方式で設計されています。食材を出し入れするたびに自分で在庫情報を入力するのは手間がかかり、どれだけ注意しても誤入力や誤差の発生をなくすことはできません。

ホテルや大手のレストランチェーンなど、日々大量の食材を扱うビジネスにおいては、こうした食材管理はより切実な問題です。扱う食材の規模は一般家庭とは桁違いに多く、ずさんな管理による損失も、経営課題の一つとなり得るかもしれません

IoT技術で食材管理が進化する

昨今、注目のIoT技術を活用すれば、こうした食材の在庫管理をほぼ自動化する仕組みが実現できます。アイデア自体はシンプルで、冷蔵庫などの中にセンサー付きのトレイのようなものを設置して、上に載せられた食材の重量を計測するというもの。ただし、IoT技術を利用すれば、計測した重量をアプリに送信し、リアルタイムに増減を記録していくことが可能です。買い物中に「あれ、牛乳はまだあったっけ?」と迷っても、スマホを取り出して即時に「在庫状況」が確認できます。

また、利用履歴の統計を取り、データを分析することで、「いつ頃なくなりそうか」の予測を立てることもできそうです。ホテルやレストランなどでこの仕組みを活用すれば、余分な食材を仕入れることがなくなり、コストを大幅に削減できるほか、食材販売業者のシステムと連携すれば、消費予測を元に「なくなりそうなタイミング」で自動発注することも可能となるでしょう。

クラウド、IoT技術、スマホアプリなどを連携させた自動食材管理の仕組みは、今後も積極的に実用化が進められていくでしょう。「食材管理機能を搭載した冷蔵庫」がごく当たり前に家電販売店に並ぶ日も、さほど遠い未来のことではないかもしれません。

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