WatsonがSNSから人物洞察、日本語対応でダルビッシュを解析

IBM Watson(以下、Watson)の能力の一つは人の自然な話し言葉を理解することですが、この能力を起点にさまざまな機能を組み合わせ、数多くの興味深いプロジェクトが進行しています。その一つが、SNSを参考にWatsonがアカウント所有者の人物洞察を行うIBM Watson Personality Insights(以下、Personality Insights)です。

テキストデータから書き手の性格を推定

Personality InsightsはテキストデータやTwitterアカウントのツイート履歴などをもとに、書き手の性格を推定するという画期的かつ興味深い試みです。Watsonが得意とする自然言語処理機能でテキストデータを解析し、言語学分析などを応用して、文章から読み取れる書き手の性質や特徴を推測する仕組みです。

Personality Insightsが公式にリリースされたのは、2015年2月のこと。そして2016年4月、待望の日本語版がリリースされました。

日本語版Personality Insightsでは、あの文豪の小説を分析

日本語は英語などに比べて文節を区切るのが難しく、自然言語処理の難易度が高いといわれていました。その課題を見事に克服した日本語版のPersonality Insightsは現在、IBMのサイトにて体験することができます(※1)。Twitterのアカウントと連携してツイート履歴から解析を行うモードと、テキストを直接入力して解析するモードの二つがあり、サンプルとして著名人の分析結果がいくつか用意されています。

テキスト入力から分析する方法では、夏目漱石の小説『道草』がサンプルとして選ばれています。その分析結果によれば、作者である夏目漱石は「熱くなりやすく」て「ひどく陽気」であり、「慣例にとらわれないタイプ」とのこと。また、圧力を受けても冷静かつ大胆なタイプで、時間をかけて慎重に検討するよりも、即座に行動を起こす傾向が強いとの分析結果が出ています。数ある作品の中のわずか一作品のみの分析ですが、私たちがイメージする人物像ともそこまでの乖離はないような気がします。

Watsonは学習を積み重ねながら「賢く」成長していくシステムですが、Personality Insightsも今後、多くの経験を経て徐々にその精度を高めていくことでしょう。なお、Personality InsightsのAPIは、外部のさまざまなアプリと連携させて使うことが可能です。今後、Personality Insightsを利用したバラエティー豊かなアプリが誕生するのが待ち遠しいですね。

(※1)Personality Insights

photo:Thinkstock / Getty Images