デジタルネイティブ世代に向けた、新たなショッピング体験

1980~95年ごろに生まれ、2000年代に成人した世代を「ミレニアル世代」と呼びます。ミレニアル世代は2030年までに世界の労働人口の75%を占めるようになると予想されており、近年、このミレニアル世代に的を絞った製品やサービスの開発が盛んに進められています。

ミレニアル世代に的を絞ったショッピングサイト-abof.com-

例えば、ミレニアル世代を対象としたファッション通販サイトである「abof.com」では、顧客にインタラクティブで満足度の高いショッピングを楽しんでもらうために、Webサイト上に「3Dバーチャル試着室」を設置しました。この機能はIBMおよびビジネス・パートナーである「Metail」が提供する統合テクノロジーを採用したもので、顧客がサイト上で自分の衣服サイズを入力すると、実際に販売されている商品を注文前にバーチャルで試着することができるようになっています。

アパレル業界における平均返品率は20%前後ですが、このバーチャル試着室を設置したことで、「abof.com」の返品率は0%近くまで引き下げられたそうです。また、この3D試着に対応している商品は、業界水準を400%も上回る高いコンバージョン率を叩き出しているといいます。

「abof.com」では、このほかにも、顧客が求める商品の写真をアップロードすると、写真によく似た商品を検索結果として提示してくれる機能などをサイトに設置しています。こうした直感的で優れた検索体験は、ミレニアル世代の心を捉えるために重要な役割を果たすでしょう。

また、IBMが提供している注文管理およびサプライ・チェーン・ソリューションを利用して在庫管理や受発注の仕組みを効率化し、迅速な発送、リアルタイムで正確な注文状況の把握といった付加価値を顧客に提供しています。

キーワードは「インタラクティブ」&「パーソナライズド」

「abof.com」の取り組みはほんの一例であり、世界中の多くの業者が、ミレニアル世代を引きつけるためにさまざまな取り組みを進めています。こうした傾向は小売業者だけにとどまらず、転職サイトやSNS、あるいはさまざまなデジタルツールなどにおいても、ミレニアル世代を意識した製品開発が積極的に行われているようです。

デジタル革命の真っただ中で育ったミレニアル世代にとって、デジタル技術を駆使した「おもてなし」を受けるのは、ごく自然なことかもしれません。ミレニアル世代が好むインタラクティブでパーソナライズ化されたオンライン体験をベースに、いかにして他社と差別化を図り、独自のサービスを提供していくか…。今後のオンラインサービス市場で勝ち抜いていくための鍵は、そのあたりに隠されていそうです。

photo:Thinkstock / Getty Images