AIと共に歩む未来

人工知能(以下、AI)というと、映画やニュースなどに登場する最新テクノロジーのように思われるかもしれませんが、実はAIに関する技術は、既に10年以上前から我々の生活にさまざまな影響をもたらしています。そして、ここ数年はAI技術に関するニュースが以前にも増して一般的なものとなり、日常的に私たちの耳に入るようになり始めました。

AIとコグニティブ・コンピューティング

AIという言葉は今やバズワードのように用いられ、知的システムを実現するためのあらゆる技術が「AI」の語を冠して呼ばれているような節があります。しかし、AIといっても、実際には方向性によっていくつかの領域に分けることができます。

コグニティブ技術は、機械学習や自然言語処理などの技術を用いて、より自然に機械と連携し、人間の専門知識を補強するために用いられるものです。最近では、さまざまなスタートアップ企業がこのコグニティブ技術を利用し、新たなサービスを立ち上げています。オンラインのなんでも屋「Magic」やチャット形式のやり取りで買い物ができる「Operator」も、そうしたスタートアップ企業のうちの一つだといえるでしょう。

一方で、IBMやFacebookのような大規模なテクノロジー企業は、ハードウェアやソフトウェアといったインフラ基盤をクラウド・サービスとして提供しています。こうしたサービスを活用し、さまざまな企業が革新的な新製品やサービスを顧客に提供し始めています。

急速に進化を遂げるAI技術 

AIを取り巻く世界は、この2年ほどの間に、爆発的な進化を遂げています。その背景には、SNSなどの普及によって、これまでとは比べ物にならないほどの莫大なデータが、日々生み出されるようになったという経緯があります。

BIツール(企業の業務システムの一種)「Domo」の分析によれば、全世界で毎分約35万のツイートが発信され、約420万回も「いいね!」ボタンが押され、約300時間分の動画がアップロードされているのだとか…。そのようにして、1日に作り出される約250京バイトものデータを活用し、生活やビジネスに役立つ知見を抽出するため、コグニティブ技術をはじめとしたAI技術が、広く活用され始めているというわけです。

技術革新が、今後の私たちの世界に大きな進化をもたらしてくれるであろうことは想像に難くありません。しかし、その一方で、AIやロボットの急激な進化は、映画『ターミネーター』や『マトリックス』などに描かれたようなダークな印象をもたれることもあります。

AIをはじめとした技術をより良い未来のために役立てていくことは可能なはずです。IBMの2代目社長である故トーマス・ワトソン Jr.が語ったように、「機械とは、あくまでもそれを使う人間の可能性を広げるものでしかない」のですから。

■映画監督のリドリー・スコットもAIについてWatsonと対談!

photo:Thinkstock / Getty Images

関連記事