ジカ熱の治療薬がスマホでつくれる?

人類ははるか昔から、さまざまな伝染性の疾病に悩まされてきました。ジカ熱もそうした疾病の一種で、蚊を宿主とするフラビウイルス科のウイルスによって引き起こされます。このウイルスは1947年にアフリカのウガンダで発見され、これまでにアフリカ、南アジア、東南アジア、中南米などで流行が確認されています。

「OpenZika」プロジェクト始動!―ジカ熱治療の候補薬を発見せよ

IBMのワールド・コミュニティー・グリッド・チームは、ジカ熱治療の研究者たちと協同し、このジカ熱を治療する薬を発見するための研究を開始しました。このプロジェクトは「OpenZikaプロジェクト」と名付けられ、ウイルスに用いる抗ウイルス剤の主成分となる化合物の特定などを支援しています。

抗ウイルス剤の開発にあたっては、ウイルスのたんぱく質や結晶構造モデルを抽出した上で、既存の分子データベースに登録されている化合物と比較して選別していき、見込みのある化合物に対して研究室でのテストを行うというサイクルを繰り返します。既存の分子データベースは膨大な数に上るため、比較や選別には多大なコンピューターリソースが必要とされますが、OpenZikaプロジェクトではワールド・コミュニティー・グリッドの提供する膨大な処理能力を活用することで、従来よりもはるかに速いスピードで研究のサイクルを回すことが可能です。

「余ったパワー」を集めてつくる、巨大な仮想スーパーコンピューター

ワールド・コミュニティー・グリッドはグリッド・コンピューティング構築のための非営利活動プロジェクトで、その基本的なコンセプトは、参加者の持つスマホやパソコンなどのデバイスを相互に接続することによって、巨大な仮想スーパーコンピューターを構築するというものです。これまでに小児がんの治療薬候補、より効率的な太陽電池用素材、ナノテクノロジーにより効果的に水をろ過する方法などを発見するために、ワールド・コミュニティー・グリッドが活用されてきました。

一つひとつは微力なスマホやパソコンも、ワールド・コミュニティー・グリッドに接続することによって、途方もないパワーを生み出す可能性を秘めています。IBMはこのワールド・コミュニティー・グリッドを活用し、ジカ熱をはじめとしたさまざまな抗ウイルス研究に貢献していく意向です。また、OpenZikaプロジェクトでは、現在も引き続きボランティア参加者を募集しています。あなたが持っているスマホやパスコンを利用し、小さな社会貢献に参加してみませんか?

OpenZikaプロジェクト・サインアップフォーム

photo:Thinkstock / Getty Images

関連記事