Rich Riggins/Feature Photo Service for IBM

(メイン画像)Rich Riggins/Feature Photo Service for IBM

マイクに向かって行き先を告げるだけで、どこへでも好きなところへ連れて行ってくれる…。子供のころにSF映画で見たそんな夢の乗り物が、現実の世界に姿を現し始めています。

2016年7月13日、日産自動車は8月下旬に発売される同社のミニバン「セレナ」の新型に自動運転技術を組み合わせた「プロパイロット」という機能を搭載すると発表しました。また、トヨタやホンダ、Mercedes-Benzといった大手自動車メーカーはもちろんのこと、IT企業であるGoogleまでもが、自動運転技術の開発に意欲的に取り組んでいます。

IBM Watsonを搭載した自動運転車「Olli」

そんな中、3Dプリントによる世界初の自動車生産を手掛ける米国のLocal Motorsが、IBM Watson(以下、Watson)のIoT技術とAPIを活用した初の自動運転車「Olli」を発表しました。

Olliは最大12人乗りの電気自動車で、Watsonのコグニティブ・コンピューティング能力を利用して、乗客と自然な対話を交わすことができます。例えば、「ダウンタウンまで連れて行ってほしい」「Olliは、どんな仕組みで動いているの?」「どうやって運転上の意思決定を行っているの?」といった乗客からのさまざまな質問を理解し、適切な回答を返すことが可能です。

乗客の好みを理解して、快適な乗車体験を提供

また、Olliは車両全体に埋め込まれた30個以上のセンサーから収集した膨大な輸送データを分析・学習する、初めての自動車です。センサーから得られたデータの分析結果や対話の履歴データなどをもとに、乗客のニーズや好みなどを特定することで、すべての乗客に対してパーソナライズされた快適な乗車体験を提供することができます。

乗客は顔なじみの車掌さんと会話するように、Olliとの対話を楽しみ、目的地に到着するまでの時間を快適に過ごすことができるでしょう。目的地付近の人気のレストランやお勧めの観光スポットなどを、Olliに尋ねることもできるかもしれません。

なお、Olliは2016年7月26日よりワシントンDC内の公道で運行を開始し、2016年内にはマイアミ・デイト郡とラスベガスでも運行を予定しているとのこと。日本においては、自動運転自動車が実用化されるまでには少し時間がかかりそうですが、遠からぬ未来にOlliがお目見えするのを、楽しみに待ちたいところです。

photo:Thinkstock / Getty Images