グローバル化が進む中、海外から日本を訪れる観光客の数は、年々増加の一途をたどっています。2006年には累計733万人だった訪日外国人客数は、2015年に1,973万人へと9年で約2.7倍にも膨れ上がり、国内の観光地も外国人観光客に向けたサービスに力を入れています。

そんな中、日本IBMは北海道釧路市および弟子屈町の「観光客おもてなし能力向上プロジェクト業務」を受注し、ソーシャルメディア分析、観光関連情報の入手や発信を支援するスマートフォン向けアプリの開発によって、外国人観光客への「新たなおもてなし」を支援すると発表しました。

「ソーシャルメディア分析」で、おもてなし能力の向上を支援

ソーシャルメディア分析は、英語圏、中国語繁体字圏、中国語簡体字圏でのツイートやブログ、ニュース、動画共有サイト内のコメントなどを「IBM Social Media Analytics」を利用して分析し、その結果を外国人観光客の評判やニーズの把握に役立てようという試みです。

昨今、旅行先の選定に際して、観光客による情報発信・情報交換が非常に重要な位置を占めるようになりました。こうした状況を背景に、観光地側でも「旅行先として選ばれるための工夫」を凝らす必要に迫られています。ソーシャルメディア分析は、このような課題の解決を、高度な分析技術の力で支援するものです。SNSなどから収集したデータから地域やテーマなどに基づいて情報を抽出し、認知度、評判、話題、影響力といったさまざまな側面から分析を行っていきます。分析作業は、IBMのスペシャリスト・チームが担当。各言語を母国語とする分析スペシャリストによって、言葉の裏の裏まで深く理解した上での的確な分析データが提供されます。

電波の届かない地域でも、快適に情報をブラウズ

一方、観光関連情報の入手や発信を支援する「おもてなしパスポート(仮称)」は、端末上に必要な情報をコピーすることで、位置に応じてタイムリーな情報を提示する機能を提供するスマートフォン向けアプリです。これにより、北海道のように広大な地域を周遊する場合、携帯電波の届かないエリアでは情報提供がスムーズに行えないという問題を解決し、外国人観光客の快適な旅をサポートします。アプリは2016年12月からの利用開始を目標に開発が進められています。

釧路市と弟子屈町は、国の認定事業である「水のカムイ観光圏」にて、積極的に観光客の誘致を推進しています。釧路市については外国人観光客を地方へ誘客するモデルケース「観光立国ショーケース」にも認定されており、本プロジェクトの成果が、さらなる「おもてなし能力」の向上へとつながることが期待されています。

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