サントリーが“コンピューター任せ”で実現した業務効率化

企業経営は「ビジネスの拡大」と「コスト削減」という二つの車輪によって支えられています。特に、業務を効率化して貴重なリソースをより有意義な領域へと再配置することは、企業の継続的な成長を支える重要な取り組みだといえるでしょう。

そんな中、人工知能や機械学習などのIT技術を活用した、新たな業務効率化への試みが注目を集め始めています。

サントリーグループ向けBPOサービスにRPA技術を導入

日本IBMは2016年9月、サントリービジネスエキスパート株式会社に提供する経理業務のビジネス・プロセス・アウトソーシング(以下、BPO)サービスにおいて、ロボティック・プロセス・オートメーション(以下、RPA)を用いた新たな技術が採用されたことを発表しました。

RPAとは人工知能や機械学習などの技術を活用して、従来、人の介在を必要としてきた定型的な業務を自動化する取り組みです。書類の読み取りやデータの入力といった経理業務上のルーチンワークを自動化し、作業コストの削減や業務品質の向上を狙います。

サントリービジネスエキスパートは、サントリーグループの経営課題の一つであるコスト削減を実現するために業務の集約や効率化に取り組んでおり、経理業務についてはこれまで、日本IBMのBPOサービスを利用してきました。今回の新技術は、このBPOサービスの一環として提供されるものです。

RPAで広がるBPOサービスの可能性

新たなBPOサービスでは、OCR(※1)による自動認識をはじめとしたIBMのロボティクスを活用し、1カ月あたり約5万件の支払伝票入力を自動処理に置き換えます。これにより、作業時間の削減とともに入力ミスなどが軽減され、主要な4種の伝票において約20%の業務効率化を成し遂げました。

日本IBMでは、今後もBPOを通じてより高い付加価値を提供できるよう、ロボティクスを活用した自動化の拡充やアナリティクス、IBM Watsonとの連携といった新たなサービスの提供を検討していく計画です。

(※1):OCR(Optical Character Recognition) 光学的に文字を認識し、コンピューターが処理できる形式に変換する仕組み。

「ロボットや人工知能が人類の仕事を奪う」という懸念は世間に根強くはびこっていますが、今後の企業活動において重要となるのは、むしろ両者の得意分野を生かした「協業」です。定型化された自動処理はコンピューターに任せ、思考の飛躍を必要とするクリエイティブな仕事を人間が担っていくことで、私たちは新たな働き方を構築できるのかもしれません。

photo:Thinkstock / Getty Images

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