人類は人工知能と信頼関係を築いていけるのか?

人工知能という言葉は、しばしば「人の思考を真似るシステム」というニュアンスで用いられます。しかし、これは人工知能本来のあり方からすると、必ずしも正しい表現ではありません。

人工知能は人の思考を模倣するものではなく、私たち人間の思考を拡張するものであるはずです。IBMが「人工知能」ではなく「コグニティブ・コンピューティング」という言葉を使う理由は、そこにあります。

人工知能とともに生きる時代へ

近年になって、かつてないスピードで、人工知能に関する技術が進化を遂げつつあります。それが単なるブームで終わることは、おそらくありえないでしょう。

人工知能はIoTやロボティクスなどのテクノロジーと融合し、着実かつ急速に、私たちの生活の一部に溶け込んでいくに違いありません。

人工知能を信頼するには何が必要?

人間が人工知能とともに生きる時代にあって、何よりも重要なのは、私たちがいかに人工知能を信頼し、協調の道を見いだすのかということです。
人類は新しいテクノロジーが登場するたびに、それを信頼し、協調することを学んできました。人工知能に対しても、同様のプロセスを踏むのは難しくはないはずです。

IBM Researchの副社長であり、コグニティブ・コンピューティングのCSO(Chief Science Officer)でもあるGuruduth Banavar博士によれば、人工知能への信頼感を人々の中に根付かせるために、テクノロジー企業が念頭に置くべきガイドラインを紹介しています。

何よりも大切なのは、人工知能を利用する企業が正しい目的と方法を掲げ、テクノロジーを活用していく姿勢を持つことであるとBanavar博士は述べています。倫理的な管理基準を定め、アルゴリズムを開示し、人間社会の価値観に沿って機能するシステムを提供することが、結果的に人々の人工知能に対する信頼性を高めることにつながっていくのでしょう。

私たち人間と人工知能の「蜜月」は、まだ始まったばかり。
今後も末永く素晴らしい関係を保っていくために、私たちは何ができるのか常に模索し続けていきたいですね。

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