なぜIBMは年間8,000件もの特許を取得するのか?

21世紀に入り、テクノロジーは、かつてないほど急激な進化を遂げました。
産業、工業、農業、医療……あらゆるジャンルにおいて、ICT(情報通信技術)を活用した革新的なサービスが登場し、世界は日に日に便利で暮らしやすい姿に変化しつつあります。

そうした大きな変化の足元を支えているのは、テクノロジー企業の、たゆまぬ努力だといえるでしょう。

IBM、年間8,000件を超える特許を取得

2017年1月、IBMは2016年度に取得した米国特許が8,088件となり、2位のサムスン・エレクトロニクス(5,518件)に2,500件以上の差をつけてトップに立ったことを発表しました。

企業が1年間に8,000件を超える米国特許を取得したのはこれが初めてであるとともに、特許取得数においても、IBMは24年連続でトップを独占し続けています。年間8,000件ということは、1日当たりに換算すると約22件――これは簡単にできることではありません。IBMのこの偉業は、47の国と地域で働く8,500人を超える発明者たちによって達成されました。

イノベーションを支える「テクノロジーのピース」

IBMが取得した特許には、人工知能/コグニティブ・コンピューティング関連の技術をはじめ、コグニティブ・ヘルス、クラウド、サイバーセキュリティといった、IBMの戦略的成長分野に関するさまざまな発明が含まれます。

たとえばコグニティブ・コンピューティングの分野では、運転者の心理状態を考慮に入れた最善ルートを提案するための手法が開発されました。この手法を応用すれば、長時間勤務後の運転者に対し、普段よりも疲れない帰宅ルートを提案するようなナビゲーション・システムを作ることができます。
また、コグニティブ・ヘルスの分野では、画像利用による心臓検診の精度向上のための分類手法が開発され、医師は従来よりも容易に心臓病の診断を行えるようになります。

ほかにも、クラウド・コンピューティングやサイバーセキュリティに関する、有意義で画期的な発明が多数生み出されました。IBM会長、社長兼CEOのジニー・ロメッティ氏は、発表に際して次のように述べています。

「イノベーションにおける24年連続での世界一達成は、偶然起こることではありません。(中略)当社の発明者たちの類いまれな貢献を誇りに思います」

どんなドラマティックなイノベーションも、小さなテクノロジーのピースによって組み立てられている――そしてその陰にも科学者やエンジニアたちのたゆまぬ努力があることを、私たちは忘れるべきではありません。

photo:Getty Images