スマホやPCの空き時間が、小児がんの子どもを救う?

一見、単独では役に立たないように思える非力なものでも、数を集めれば、巨大な力を発揮することがあります。

ネットワークにつながる無数のコンピューターのパワーをまとめ上げ、あたかも巨大なコンピューターのように扱うグリッド・コンピューティングも、そうした例のひとつだということができるでしょう。ひとつひとつのコンピューターの持つパワーはさほど高いものではなかったとしても、無数のコンピューターの力を寄せ集めれば、複雑かつ大規模で負荷の高い計算処理を実行できる力が生まれます。

ワールド・コミュニティー・グリッドで、小児がん治療薬発見を支援

2017年1月、IBMと医学研究者チームは、小児がんの治療薬を発見するためのプロジェクト「Smash Childhood Cancer〜小児がんと闘う子どもたちへのITでの支援」において、ボランティア募集を開始しました。

このプロジェクトの主な目的は、脳腫瘍や腎芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、骨肉腫といった、発生頻度の高い小児がんの新たな治療薬を発見することにあります。治療薬発見には、がん細胞抑制のカギとなる分子や、たんぱく質に作用する候補化合物を特定しなくてはなりませんが、多額の費用と、計算に気の遠くなるような時間が必要です。

IBMは、こうした研究を支援するため、グリッド・コンピューティングの技術を用いて構築された「ワールド・コミュニティー・グリッド(以下、WCG)」へのアクセスを研究者に無償で提供しています。

スマホ、PCの空き時間が、小児がん治療薬発見の助けになる

WCGとは、世界中のボランティアから寄付されたコンピューターのパワーを集結させた仮想のスーパー・コンピューターです。研究者はWCGを利用して、治療薬発見のための複雑な計算を実行します。

ボランティアとして参加を希望するユーザーは、スマホやPCに安全な専用アプリケーションをダウンロードしインストールするだけで、WCGに参加することができます。スマホやPCが待機状態になると、インストールされたアプリケーションの働きによって、コンピューターのパワーが、WCGに自動的に提供されるのです。ボランティア参加者自身が、時間や資金、労働などを提供する必要は一切ありません。

小児がんは全世界において病気による子どもの死因の第1位を占め、いま現在も多くの幼い命が、こうした病と闘っています。あなたもぜひスマホやPCの空き時間をこのプロジェクトに提供し、小児がんの治療薬発見に貢献してみませんか?

world community grid / Research: Smash Childhood Cancer: プロジェクトの詳細
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photo:Thinkstock / Getty Images