ドバイとIBMによるブロックチェーン戦略が起こす“破壊的な変化”

ブロックチェーンは仮想通貨「ビットコイン」を支える基盤技術として有名なことから、フィンテック(ITを利用した金融テクノロジー)とともにしばしば語られますが、現在では製造業、流通業、そしてIoTといった多彩な分野での活用が進みつつあります。

ブロックチェーンが契約管理に破壊的な変化をもたらす

ビジネスにおける契約管理は、ブロックチェーンによる革新が期待される分野の一つです。IBM Institute for Business Valueの調査によれば、政府機関のほぼ9割が2018年までに金融取引や資産管理、契約管理などの領域で、ブロックチェーンに投資する計画を進めているといいます。

また、10人のうち7人の政府高官は今後、ブロックチェーンが官民問わずあらゆる組織で行われる、仕事上の契約やプロセス管理に“破壊的な変化”をもたらすと予測しています。

ドバイ政府とIBMのタッグがブロックチェーン戦略を推進

そうした中でも、特に熱心にブロックチェーンに取り組んでいるのが、アラブ首長国連邦の1つであるドバイです。

ドバイ政府は2016年に自国を「ブロックチェーン・ハブ」として位置づけ、この技術の活用を推進するための「グローバル・ブロックチェーン・カウンシル」を設立。2017年2月、IBMとドバイの関税当局及び貿易当局は、ドバイのブロックチェーン戦略の推進に共同で取り組むことを発表しました。

このプロジェクトでは、オープンソースのブロックチェーン・プラットフォームである「ハイパーレッジャーファブリック」とIBMクラウドを利用したブロックチェーン・ソリューションを構築し、主に物流分野におけるブロックチェーンの活用方法が検討されます。

Watson IoTを活用して、デバイスから報告されたデータを発注段階から出荷と輸送の中間段階を経て、通関手続きと支払いを伴う最終段階まで、物流プロセスに関わるすべてを高度なセキュリティで統合します。

例えばインドから発送された果物が船でドバイに輸送され、ドバイでジュースに加工された後、スペインへ空輸されるといった物流ルートの一連の動きを、関係者はリアルタイムで確認できるようになるのです。

IBM中東、パキスタンのゼネラル・マネジャーであるアルム・レファット氏は「インターネットが情報にもたらしたような効果を、ブロックチェーンが取引にもたらす」と述べています。

今回のIBMとドバイ政府や大手企業との連携は、今後、企業と企業、あるいは企業と顧客の取り引きがブロックチェーンによってどのように変革するかを見定める、試金石となるはずです。

photo:Getty Images

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