AIが社会に認知され、活躍するための4つの条件

ディープラーニング(学習データをもとに自ら推察を深めていく機械学習の一種)や自然言語の処理など、最近のAIの進歩には目を見張るものがあります。しかし、私たちがいま目の当たりにしているものは、実はAIの持つ可能性のごく一部に過ぎないともいわれています。

AIに秘められた可能性

近い将来、AIは私たち人間の行動をアシストする強力なツールとなる可能性があります。たとえば、Apple社のSiriのようなパーソナル・アシスタントに高度なAI技術を組み合わせれば、より確かな意思決定ができるでしょう。

クリエイティブ分野においても、AIの活用が模索され始めています。これまでにもIBM Watsonを活用して歌詞を書いたり、映画の予告編をつくったりする事例がありましたが、AIの発達により今後、こうした流れに拍車がかかるのは間違いありません。

AIの進化を促す4つの要素とは

IBMのシンシア・パラマンダム氏によれば、これからのAIの進化の鍵を握る4つの要素があるといいます。

1つ目は「スモール・データ」。現在のところ、AIがさまざまなシーンで人間をアシストできるようになるためには、各産業における大量の事例やデータを用いた事前教育が必要不可欠です。しかし、将来的には、より少ないデータでAIを教育できるようになると期待されています。

2つ目は教師なし学習。機械学習の1つに、出力すべきものが決まっていない「教師なし学習」があります。特に医療や生命科学分野でAIを活用する際は、最小限の機械学習で高度な推論を導き出さなくてはなりません。教師なし学習は容易ではありませんが、ある領域で確立された推論モデルを別の領域に適用する手法にも期待が寄せられています。

3つ目はハードウェア性能の向上。ニューロモーフィック・チップ(脳の神経回路網を参考にして、信号処理を行う半導体チップ)や量子コンピューター(従来よりもはるかに高速な計算ができるコンピューター)が、AIの進化にプラスの影響をもたらすでしょう。

4つ目はAIの信頼性を高めること。AIが社会に認知され、有用な技術として普及していくためには、人々からの信頼を勝ち取る必要があります。AIを開発する研究者やエンジニアが正しい倫理観を持つとともに、学界、政府、産業間の継続的な連携も不可欠です。

一見、目を見張る進化を遂げているように見えてはいても、今のAIはまだ歩き始めたばかりの子供のようなもの。人類とAIが手を取り合い、より良い未来を目指さなくてはいけません。

photo:Getty Images

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