高層ビルで1日10億人を移動させるエレベーターの管理を、AIがサポート

21世紀に生きる私たちにとって、街の至るところにあるエレベーターやエスカレーターはありふれた風景の一部です。しかし、私たちが安心してエレベーターやエスカレーターを利用できているのは、点検や整備を担当するフィールド・エンジニアをはじめ、多くの人の苦労の賜物でもあるのです。

IoTとコグニティブ技術で「摩天楼の回廊」を監視

オフィスや住宅として利用される超高層ビルでは、一度に何百、何千という人が建物の中を目まぐるしく動き回ります。人々がストレスなく移動できる環境づくりのため、エレベーターやエスカレーターが果たす役割は決して小さくありません。

例えば、機械トラブルで突然それらが停止すれば、多くの人の移動に影響を与えるだけでなく、利用者の身に危険が及ぶような大事故が起きる可能性もあります。

そうした事態を未然に回避するため、KONE社(以下、コネ)では、IBM Watson IoTとコグニティブ技術をエレベーター等の監視やメンテナンスに役立てる試みに着手しています。

Watson IoTで、エレベーターのメンテナンスが変わる!

コネはフィンランドに本部を置く企業で、エレベーターやエスカレーターなどの製造販売、およびそれらの機器のメンテナンスサービスを手掛けています。同社の製品は全世界で100万台以上が使用され、1日に10億人もの移動をサポートしているのだとか。

そのメンテナンスに活用されるのが、「IBM Watson IoT」です。エレベーターのセンサーから稼働状況等のデータを収集し、リアルタイムに機器の状態を把握する仕組みを実現。収集したデータはWatsonとそのコグニティブ技術で分析され、潜在する問題を検出して、高い精度で故障時期を予測します。

また、問題が検出された場合はメンテナンス担当のエンジニアへしかるべき情報(機器のスペックや、想定されるトラブルの原因など)が入るため、迅速に対応することができます。復旧への時間をなるべく短縮でき、事態の深刻化を防げるのは大きなメリットといえるでしょう。

コグニティブ技術を用いたloTのサポートで、エレベーターやエスカレーターのメンテナンスは大きく変わろうとしています。そんな変化の一端を、下記の360°動画でも体感してください。

photo:Getty Images