選手たちが激しく接触しながら競い合う、ラグビー。特にタックルやスクラムで身体にかかる衝撃は非常に強く、怪我の起こりやすさはサッカーの3倍とも言われます。ラグビー発祥の地・イギリスで、怪我のリスクを少しでも低減させようと採用されたのが、ビッグデータ分析でした。

ビッグデータ分析により選手の怪我を予防

イギリスのラグビーユニオン・プレミアシップ(トップリーグ)に所属するレスター・タイガースは、選手のコンディションを管理しチームのパフォーマンスを向上させるためにビッグデータ分析を採用しました。ビッグデータの分析には、IBMのSPSS Modelerを使用。SPSS Modelerでは、テキストデータやアクセスログなどさまざまなファイルをデータマイニングにより柔軟につなぎ合わせ、予測分析から得られた知見を元に意思決定をサポートしてくれます。選手の心拍数や疲労度、ストレスなどをリアルタイムに測定することで、試合やトレーニングに臨む際のコンディションが劇的に向上しました。その効果もあり、タイガースは2012-13シーズンには優勝という結果を手にしています。

スポーツはデータサイエンス

選手の怪我の予測において、どのような条件が重要なのかはまだ模索中とのこと。ですが、それも徐々に判明しつつあります。選手のコンディションを把握することで怪我のリスクを回避するだけではなく、各選手の情報を総合してチームとしてのコンディションも常にコントロールすることが可能です。もはやラグビーは、スポーツは単なるゲームではなく、データサイエンスを駆使した芸術的なアウトプットとして機能しつつあるのです。

SPSS Modelerは、元々ヘルスケアやエネルギー、小売業や公共事業など主にビジネスマーケティングの用途で活用されてきました。そして、レスター・タイガースはSPSS Modelerの更なる可能性を発見し、発掘しつづけています。今後もデータマイニングによって組織や社会の未来を予測し、未然に不都合なリスクを回避することが徐々に浸透していくのかもしれません。

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