世界的なIT人材不足が叫ばれる中、自治体、学校、企業が従来の枠を超えて連携し、共にIT人材育成に取り組む画期的な仕組み、P-TECH (Pathways in Technology Early College High School:ピーテック) *1がいよいよ日本でも始動する。2019年4月23日に東京都教育委員会(以下、都教育委員会)、学校法人片柳学園(以下、片柳学園)、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の三者で協定を締結した。*2
企業や社会が真に必要としているIT人材の育成を促進する新しい試み「P-TECH」は、日本の高校や専門学校における教育をどう変えるのか、産官学はどのように連携していくのか、その目的と成果への期待について、三者トップによる鼎談をお届けする。

*1: https://www.mugendai-web.jp/archives/970
https://www.youtube.com/watch?v=NUl7Ao6NeN0
*2: http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/press_release/2019/release20190423_02.html
https://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/54940.wss

■東京都教育委員会 教育長 藤田裕司氏 (写真中央)
■学校法人片柳学園 理事長 千葉 茂氏 (写真右)
■日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長 山口明夫氏 (写真左)

<聞き手>
東京都教育庁 都立学校教育部 ものづくり教育推進担当課長 小川謙二氏

技術を身につけるだけでなく、人間力を育む

――今なぜ都立高校がIT人材の育成に取り組むのか、その必要性からお聞かせください。

藤田 これまで都立高校は、産業教育を通じてあらゆる産業を支える人材を育成し、東京や日本経済の発展に貢献してきました。都立高校で学んだ多くの方々が産業の基盤を支えてきたと言っても過言ではありません。特に工業高校の卒業生は、まさにものづくり人材そのものであり、都内の中小企業にも、その多くの方が採用されてきました。しかし、産業構造や社会経済状況が劇的に変化する中で、都立の工業高校も多様化していかなければなりません。今回、この取り組みを実施する都立町田工業高等学校(以下、町田工業高校)は、総合情報科の設置など、これまで様々な工夫を重ね時代の変化に対応してきており、社会の急激な情報化に即した基礎的なカリキュラムは実現できています。
ただ、ここ数年、政府の提唱するSociety 5.0の到来に包括されるAIやIoTなどの進展、さらには空飛ぶ自動車すら現実味を帯びる中、時代に即した技術革新への対応が必要です。また、これからの社会に通用するグローバルな視点を兼ね備えた人材育成にも着実に取り組んでいく必要があります。
そうした中、この2月に策定した都立高校改革推進計画新実施計画(第二次)の中で、工業高校、専門学校、企業などが連携したIT人材の育成に取り組むことを掲げ、このたび三者協定を結ばせていただきました。

藤田裕司氏

東京都教育委員会 教育長 藤田裕司氏

――P-TECHの取り組みは、どのような経緯から始まったのでしょうか。

山口 日本IBMは、1937年に日本で事業を開始し、本年6月で82周年を迎えました。
「社会とともに」という思いを創業時から大切にしており、例えば、ちょうど50年前に東京オリンピックで初めて競技結果計算システムを納入し、その後当時の三井銀行様の日本初の銀行オンライン・システムに活用されました。また、コンビニエンス・ストアに設置したATMや、誰もが使えるコンピューターを目指したパソコンなど、社会に貢献したいという思いを持って日本のお客様とともに事業に取り組んでまいりました。
「P-TECH」は、昨今AIやIoTといった先端の情報技術が、自動運転の車など、従来のシステムから範囲が広く大きくなっていく中で、企業、高等教育の学校、行政など様々な機関と連携し、IT人材育成を強化させていく仕組みです。
私は本年5月1日に日本IBMの社長に就任し、3つの重要なポイントを社員と共有しました。1つ目は日本の企業がITを活用して変革をすることを支援する。2つ目は新しいテクノロジーを活用して新しいビジネスを創出、もしくはお客様と協業する。3つ目はIT、AIの人材育成を日本で支援する。今回のP-TECHは、その3つ目の重要な柱となっています。
アメリカでもIT人材育成は課題であり、P-TECHは2011年から、行政、学校法人、企業が長期にわたるパートナーシップを結んで共に活動しています。現在、世界16カ国において約200校でこのプログラムを実施しており、日本でも早期に実現したいと考えていた時に、今回のお話をいただき、大変ありがたく思っています。

山口明夫氏

日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長 山口明夫氏

――片柳学園のご紹介と、御学園での人材育成等の考え方などについて教えていただけますか。

千葉 本学園は、1947年に開校し、創立80周年に向けて改革を進めています。72年の歴史の中で、昭和38(1963)年頃から、大学進学者がそれほど多くなかった時代ですので、工業高校と専門学校が非常に密接な関係を持ちながら人材育成を行ってきました。
それから50 年以上経って、今回また新しい関係構築の機会を得たことを大変嬉しく思っています。専門学校は、手に職を付ける、資格を取ることに特化していると思われがちです。しかし今は、そうした教育だけでは社会に通用しません。私たちは、「専門力+人間力」としてここ10年ほど教育をしてきました。最近ではそれに「創造力」を加えて、この3つの素養を持った人材を育成していこうと努力しているところです。
私は、中央教育審議会でこの3月まで委員として活動してきました。そこで「2040年の高等教育の在り方について」という答申を出して任期を終えたのですが、その中でも今の後期中等教育のやり方では、これからの社会に通用する人材を養成できないということは明確に認識されていました。
しかしながら、教育システムの歴史は大変長く、急に変わることはできないのです。やはりどうしても同質的な人材を育成するという長い伝統をなかなか変えられない、というジレンマを感じていました。それが今回、工業高校と専門学校という新しい連携の中で、新しい人材を育んでいくことは、大変挑戦しがいがあると思っています。
昭和22(1947)年に焼け野原の大田区蒲田に学校を開き、日本の復興のために尽力をしてきました。言い換えれば、IBM同様に日本社会への貢献が私たちの学校のベースとなっているのです。今回の高専連携についても、技術を身に付けるだけではなく、自分たちが生きて行くこれからの社会に役に立つ、そのための教育を行っていきたいと燃えています。

千葉 茂氏

学校法人片柳学園 理事長 千葉 茂氏

テクノロジーの世界は、勤続30年選手と新入社員が同じスタートラインに着く

――この取り組みを実施していく都立高校として町田工業高校を選定しましたが、専門学校や企業との連携にどのような期待をされますか。

藤田 千葉理事長がおっしゃったように、いわゆる人間力というものは非常に大事だと思います。都立高校でも、生徒が社会に出る前にどのような心構えをすればよいかなど、専門学校や大学への進学、その先の就職の選択などを見据えて考えられるようなキャリア教育が重要だと考えます。また、こうした教育の重要性は、工業高校などの専門学科のみならず、普通科の高校でも同様であると思います。大学生になってからでも遅くはないかもしれませんが、変化の激しい今後の時代に即応していくためには、高校生の段階から、こうした教育をしっかりと行うべきだと考えます。
町田工業高校では、現在、日本IBMの方々から、生徒へのメンタリングなどの取り組みを行っていただいていますが、その中において生徒が、「AIやIoTなどの言葉は聞いたことがあるけれど難しいと思いこんでいた。しかし、いろいろ聞いてみたら興味が湧いてきた」といった感想をもっていると聞きました。専門的な学業のことだけではなく、メンターの方との話を通じて世の中の仕組みを理解することで、様々なことで世界が動いていることを理解し視野を広げてくれているのだと思います。もちろん専門性を身に付けるのは大事ですが、さらにもう一歩、世界に目を向けるきっかけとなってくれればと願っています。
生徒には、学年を重ねていく中で、視野を広げて、自ら成長し続け、高校や専門学校などを卒業した後も、5年後、10年後の将来をより良くしていくことに貢献してくれる人材に育ってくれるよう今回の取り組みを皆さんとともに進めていきたいと考えています。将来は、もちろん東京で活躍してくれるのが嬉しいですが、東京を足がかりに世界を股にかける起業家になってもいいし、グローバルな企業に就職してもいい。世界をさらに良くしていこうという気概をもった国際的に通用する人材となっていくことを期待しています。

藤田裕司氏

藤田氏

――町田工業高校と片柳学園の日本工学院八王子専門学校とが連携した教育プログラムを展開していこうという取り組みに、どのようなことを期待されていますか。

千葉 本学園では、実践的な教育を実施します。AIやIoTは0(ゼロ)から1(イチ)を生み出すと思われがちですが、既存の技術、コンテンツ、ハードウェアとの組み合わせで生きてくると考えます。その意味から、文系の学生がAIを勉強することももちろん大事ですが、工業高校で専門を学んでいる学生がAIを学ぶことは非常に重要なことだと思います。これから町田工業高校との連携による相乗効果を生むことで、全国の工業高校と工業専門学校が一体となって新しい時代に向けての人材育成ができるようになると期待しています。 

山口 既存の技術にさらに新しいAI、IoTのスキルを付けていかなければならない、まさに企業でも同じことが起きています。新しいテクノロジーでは、新入社員と30年働いている技術者が常に同じスタート地点に立ちます。IT業界は新しいテクノロジーがどんどん出てくるので、30年働いていても全く安心ができません。常に新しい技術を学び、使い、会話ができるようにならねばなりません。チャレンジの連続です。それを大変と感じるか、楽しいと感じるかで将来が変わってきます。その楽しみを少しでも工業高校や専門学校の学生さんにお伝えできればと思っています。

――日本工学院八王子専門学校の学生さんが、日本IBMのイベントに参加されましたね。どのような成果がありましたか。

千葉 日本IBMのさまざまな教育活動に学生が参加させていただき、見違えるように成長していきます。社会で自分がどう役に立つのかは、教室での机上の勉強だけでは分かりません。素晴らしい技術に触れ、素晴らしい先輩と出会うことによって、彼らの勉学に対する意欲が非常に高まってきます。学習にはモチベーションがなんと言っても大事。そうしたモチベーションを与えていただける社会の代表として日本IBMと連携できることは、望外の幸いです。

千葉 茂氏

千葉氏

山口 約5000名のお客様が来場され、最新のテクノロジーで企業が変革した事例をご紹介したイベントに、61名の日本工学院八王子専門学校の学生さんに参加していただきました。
セッションに参加し展示を見ていただいたことで、「もっと勉強しなければいけないことが、世の中にはたくさんあるのだと知った」などのコメントを見て大変嬉しくなりました。それは社員も同じように感じたようです。年齢に関係なく、皆で今必要な技術を身に付けるということに一所懸命取り組んで行くことが、一番大切なのだと思いました。学ぶとその次を知りたいと思いますよね。

多くの技術に触れ、社会の先輩と出会うことで、将来の選択肢が増える

――P-TECHで提供している内容は、どのようなものですか。

山口 町田工業高校では、弊社の社員ボランティアがメンタリングを行っています。高校生に対して、将来のキャリアや仕事内容、会社ではどういう仕事をしているかなどをざっくばらんにお話しています。また、授業のカリキュラムの策定支援も行っています。テクノロジーは、3カ月も経つともう新しいことが起きていますので、その違いをどう変更・追加していくかを議論し、常に最新の情報で教育できるよう活動をしています。生徒さんもモチベーションが上がっているとのことですが、ありがたいことに、それ以上に参加している弊社の社員が非常にモチベーションを高めて帰って来ます。さまざまな夢を感じる新鮮なヒントが聞け、弊社の企業活動にもプラスになっているのです。

山口明夫氏

山口氏

――町田工業高校で実施している取り組みの結果、生徒の変容が非常によく見られてきています。カリキュラムの連携、その先の企業への就職、また企業に入った後でも勉強を続けるという志も育てていけたらと思います。

山口 広がりがとても大切です。特定の企業だけが参加するプログラムではなく、例えば弊社のシステムをお使いいただいているお客様の中にもITスキルをお持ちの方がたくさんいらっしゃいますし、他のIT企業、コンサルタント会社の方々と一緒に日本のIT、AIの人材スキルの底上げを若いうちから実施するこの取り組みを広げていければと思います。企業としては、そこでスキルを身に付けた方々が、いっそう活躍できる場を少しでも多く提供したいと思います。

――一方で、高校を卒業した生徒を、いかにして専門学校へとつないでいくのかなどの検討すべき事項があります。こうしたことも産学官と連携をしながら取り組んでいかねばならないと思っています。
高校の3年間と専門学校の2年間を一貫して学べるよう進めていきますが、「もっと学びたい」「大学に編入したい」という希望もあると思います。その辺りの展望をお聞かせいただけますか。

千葉 こうした魅力的なプログラムを用意することで、中学を卒業した時に「自分の好きなことを勉強する」ことをスタート地点にしていただければと思います。今はなんとなく「皆が普通科に行くから自分もそうする」とか、「勧められたから何となく工業高校に行く」などといった風潮があるようですが、そうではなく、「自分はこれが好きだからここで学ぶのだ」となったら素晴らしいですよね。やりたいことがその時点で分かっているというのは素晴らしい若者です。そうした人たちが、自由に学校を選んで、そしてその後、専門学校に行くもよし、短大に行くもよし、大学に行くもよし。自分が学びたいところで学ぶという選択をすることが、これからの個性尊重、創造力を働かせる世の中で必要ではないでしょうか。好きなことに挑戦していかないと学び続けることができません。 

本校でも大学への編入者が毎年100人以上います。専門学校で思う存分実学を身に付けて、そして大学に行って創造的な勉強をしたければできる。後期中等教育、高等教育を含めて、自分が好きな学びができる一助になればと思います。実際に、専門学校を卒業して大学に編入した学生たちの成績は概ね良く、今年、大学院の修士の学長賞を獲得したのは、専門学校から編入して大学を卒業し、大学院に進んだ学生でした。4年前に学部生で学長賞を取った学生も専門学校から編入した人でした。好きなことを学んで、大学に自分の目的を持って進んで行く。皆が大学に行くからではなく、専門学校で学んだ経験を生かして、目的をもって大学に行くと良い結果を生む可能性が高いです。町田工業高校の卒業生をお預かりして、その先、大学に行きたい、大学院に行きたい、あるいは専門学校でもっと勉強したい、そうした思いを受け止められるような受け入れをしていけるように心がけたいと思っております。

千葉 茂氏

千葉氏

――知識を学ぶことと、知識にもとづき探究することが相互に循環していくことが重要なのではないでしょうか。そうした意味で工業高校などの産業教育は大きな意義をもつと思います。こうした観点からも、IT人材の育成や多様な産業人材の育成が大切ではないでしょうか。

藤田 教育長になる前の職場では都内の中小企業の活性化などを進めてきましたが、これまではものづくりが中心でした。AIやIoTは、中小企業には関係がないと思われがちですが、実際はそんなことはありません。人と接するインターフェースは、やはり携帯電話や端末、機械などの「モノ」だと思います。そこは中小企業の技術も生かせます。IT人材は、実はITに直接的に関係する人材だけでなく、AIに必要なセンサーなど、AI時代には必須の様々なものづくりも大きく関係しているのです。
少子高齢化、環境問題、都市の防災や福祉など、今後、様々な分野でAIやIoTといったIT技術の革新による便利なプラットフォームを活用していかねばなりません。理系・文系に限らず、どの分野でも人の生活とAIやITとのつながりを意識しなければなりません。低年齢の頃から進むべき道がうっすらと見えていて、目的意識を持っていると、学びが全く違ってきます。むしろ、そうした人材の方が、進学先に関わらず、最終的に就職した先で活躍できると思います。かなり人間力がついて、困難にあってもめげない。あるいは世界への視野が広がっていて、むしろニーズを作り出す。そうした視野の広い人材が育つということがあると思います。ものづくり、IT関係はもちろんですけど、サービス業にもIT教育が必須と考えます。なるべく早いうちから、自分はITをどう使うのかを考え、進学や職業選択なりの自らの進む道を決めていただけると嬉しいです。工業高校、専門学校の連携が、そうした意味でさらに発展して、都立の工業高校を含めた専門高校をはじめ、都立高校全体として多様な選択肢となり、魅力を高めることができると考えます。

藤田裕司氏

藤田氏

自ら学び続ける姿勢の育成が鍵

――都立高校への期待をお聞かせください。

山口 社会に出てからも学び続けねばなりません。そして、社会に出てからの人生が長いのです。今日はAIとIoTの話を中心にしてきました。しかし、5年後、もしかしたらAIやIoTではないかもしれません。常に新しいことに目を向けて、それを貪欲に学び続ける柔軟性と意欲を持つことが大切です。ITを学ぶことでそうしたことを身に付ける。最終的にはそれが人間力、柔軟な思考、人間性につながります。客観的にものごとを判断して、素直に新しいことを受け入れてチャレンジしていく。そういう学生さんがどんどん社会に出てきたら、社会も変わっていきます。先ほど申し上げたとおり、30年選手でも今年の新入社員と同じスタート地点に立つことがたくさんあります。過去に縛られず、常に新しいことに目を向けて、変化をし続ける。新しいことを柔軟に吸収する。その中で成長していく。成長すると喜びが増してくる。それを次の人たちに教える。感謝してもらう。そうすると嬉しくなる。そういった新しい循環が生まれ、そのサイクルの中で社会人としての生活が送れたら素晴らしいと思います。そのベースとなる時期が高校生活になればと思います。

山口明夫氏

山口氏

千葉 世の中が随分と変わりました。教室で勉強していることを、ネットの世界で学ぶこともできます。これまでの高等学校の枠組みだけで変革を起こすのは難しい時代です。
そこであえて、「教えない教育」。学生たちが自ら学ぶ。知的好奇心を刺激するような仕組みにしていかねばならないのではないでしょうか。
これまでは、テストで高得点を取った人が優秀とされてきました。これをなんとか変えていきたいですね。
「火星移住計画」というプログラムを専門学校で実施しています。それぞれ勉強したことを火星で生かすにはどうしたらいいか考えるというものです。もう5年目になります。電気・電子を学んだ学生たちは、宇宙空間でどうやって電気を供給していくかを考え、自動車の勉強をしている者は移動手段を、バイオを勉強している者は食物を、建築を学ぶ者はどういう住空間を造るかを自ら考えます。これが教えない教育で、自分の学んだことをどう生かし創り出すのかを考える。このプログラムを実施しますと、20人以上の学生が常に集まってワイワイガヤガヤと論じながらやっています。このように、自ら学ぶ楽しさを高校時代に経験させてあげたい。
また、大学生が高校に教えに行ったり、先輩と接したり、商店街の人と接したり、外の世界の人との経験が気づきになります。高等学校が変わるのは難しいと思いますが、支援者は多いので、ぜひ頑張ってほしいです。

――お二人の期待を受けて最後に一言お願いします。

藤田 今回の新しい枠組みで、IT人材の育成のみならず、人間力や自ら学ぶ姿勢、次々と変化する世の中を受け入れチャレンジしていくといった力も含めて、人間育成というか、広がりのある人間力を鍛える都立高校のモデルとなる礎を三者で一緒に築いていきたいと思います。

藤田裕司氏と千葉 茂氏と山口明夫氏

TEXT:栗原 進

藤田裕司(ふじた・ゆうじ)

東京都教育委員会教育長。1983年4月に東京都に入庁。その後、産業分野や医療分野、政策分野などで活躍。東京都交響楽団でも功績を果たすなど多様な経歴を持つ。2015年に人事委員会事務局長、2016年に産業労働局長を歴任し、2019年7月に東京都教育委員会教育長に着任。趣味は音楽鑑賞で休日には庭木の手入れも行うという。

千葉 茂

千葉 茂(ちば・しげる)

学校法人片柳学園理事長。1983年4月に学校法人日本電子工学院(現:片柳学園)入校、1994年に副理事長、2003年に日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校学校長を歴任し、2018年4月に理事長に着任。

山口明夫

山口明夫(やまぐち・あきお)

日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長執行役員。1987年4月、日本アイ・ビー・エム株式会社にソフトウェア技術本部システムエンジニアとして入社。2005年に米国IBM ソフトウェア事業テクニカルセールス担当役員補佐、2014年には日本アイ・ビー・エム常務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部 サービス事業統括担当に就任。2017年に取締役専務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部 本部長を経て、2019年5月 に代表取締役社長執行役員に就任。趣味はテニスとゴルフ。社内テニス部の部長を務めたことも。