今年2019年は、1969年にアポロ11号が人類史上初めて月面着陸に成功したあの日から数えて、ちょうど50年目に当たります。
ルイ・アームストロング船長が月面に降り立ったときに発した、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」という有名な言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

一方、その大きな飛躍の陰に、4,000人を超えるIBMのエンジニアの活躍があったことはあまり広く知られていないかもしれません。しかし、当時フライトディレクターを務めていたジーン・クランツ氏が語ったように、IBMとIBMの提供するシステムがなければ、アポロ11号が月に着陸することはできなかったのです。

アポロ11号を支えたIBMのテクノロジー

アポロ計画に参加した4,000人のIBM社員の大半は、フェデラル・システム部門に所属するエンジニアで、宇宙船の打ち上げから地球への安全な帰還を実現するためのシステムとプログラムの開発に携わりました。アポロ計画で利用されたサターン・ロケットの誘導用飛行制御装置を開発したのもIBMのエンジニアたちです。NASAの有人宇宙飛行センターでは、多くの技術者が宇宙船の軌道を計算するための精密な分析をリアルタイムで行いました。さらに、アポロ計画にはIBMのメインフレームSystem/360が採用されていました。アポロ11号が月面に着陸し、安全に地球に帰還するための精密な軌道計算を行う上で、IBMのコンピューターとエンジニアたちが大いに活躍したのです。

また、当時冷蔵庫サイズであったIBM System/360相当の性能をもつコンピューターを宇宙空間での使用に耐えうるくらい頑丈にし、宇宙船に搭載可能なスーツケースサイズにまで縮小したのも、IBMがおさめた偉大な功績の一つといえるでしょう。

宇宙開発から日常生活まで

あれから50年、テクノロジーは我々の想像を遥かに超えて進化し、宇宙開発を取り巻く状況も大きく変化しました。

IBMはアポロ11号の月面着陸に先駆けること約30年前、1940年代の初期から宇宙開発に必要なスキルと技術を提供してきました。そして今もなお、宇宙空間で宇宙飛行士の作業を支援するAIコンパニオンロボット「CIMON®」など、新たなテクノロジーで宇宙開発を支え続けています。

世界初!宇宙で活躍するAIコンパニオン

さらに、アポロ11号を支えたIBMの技術力は宇宙開発だけでなく、現在では世界規模での気象予測や難病の治療薬開発支援など、私たちの暮らしをより良くするためにも応用されはじめています。

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人類が自在に宇宙空間を旅することができるようになるまでには、まだ少し時間がかかるかもしれません。けれど、アームストロング船長が踏み出した小さな一歩から今日に至るまでの50年の軌跡の先に、我々人類を大いなる夢へといざなう道が続いているのは間違いありません。

photo:Getty Images

CIMON®, a registered trademark in Germany of Deutsches Zentrum fuer Luft- und Raumfahrt e.V., German Aerospace Center (DLR), stands for Crew Interactive MObile CompanioN and is a scientific project funded by DLR and the Federal Ministry for Economic Affairs and Energy (BMWi). Other product and service names might be trademarks of IBM Corporation or other companies.