人類は今、「画一化」に向かっている

河口教授がコンピューターでの作品づくりを始めたころと比較して、現在の状況は大きく変化している。コンピューターは広く普及し、演算能力は大幅に向上した。コンピューターは、私たちにとってなくてはならない存在になった。
河口教授が今、世界に対して抱いていることは、「画一化」に対する危機感である。

河口洋一郎教授「現代のネット社会ですごく危険なのは、さまざまな情報が世界中に出回り、共有されてしまうこと。結果として価値観や文化が世界レベルで画一化へと向かっていきつつあります。これは生き残るための進化にとって良いことではありません」

グローバルな画一化の流れは、地域や人々の多様性を奪っていく。その先にどんな危険が訪れるのだろうか。河口教授は続けてこう語った。

「画一化が進む世界では、多様な進化が起こりづらくなります。進化の可能性が縮減されてしまうということです。環境が大きく変化したときに種のほとんどが適応できず、一斉に絶滅してしまうリスクが高くなってしまいます。また現代は、シミュレーションできることの価値はなくなってきています。シミュレーションできるということは、量産できるということだからです。コンピューターに生み出せない価値をいかに産むかということを、私たちは考えなければいけません」

シミュレーションできないモノこそが価値になる時代。
私たちは、自分たちが生まれ育ってきた場所や環境に対して、今一度目を向け、そこに眠る価値を再発見するべきなのかもしれない。

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