この記事はIBM THINK Watsonに掲載された記事を転載したものです。
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小売業界やEC業界でAIをビジネスに実用化する動きが著しい。Macy’sは1858年創業の全米最大手百貨店。そんな老舗が、人工知能を利用したモバイルショッピングアシスタントアプリ「Macy’s On Call」を開発したのだ。このアプリは、IBM WatsonのAPIを活用したものである。

Macy’s On Callとは?

“Macy’sのチームメンバーは、IBM WatsonとSatisfiが提供する新しいモバイルWebツールMacy’s On Callをテストしている。顧客はMacy’s On Callを使って、テストに参加している店舗の商品の品揃え、サービス、施設に関する質問を自然言語で入力し、その質問に対するカスタマイズされた回答を受け取ることができる。Macy’sは、現在、全国の10店舗でこの新しいツールを試用している。”

IBMのプレスリリース“Macy’s Pilots IBM’s Watson In Partnership With Satisfi For In-Store, Personalized Shopping Companion” から引用

 

Macy’s On Callを使えば、買い物客は、店舗で情報を素早く入手できる。通常であれば、店員に聞かなければわからないようなことをWatsonが答えるからだ。「靴はどこにありますか?」と入力すれば、店舗内の場所を表示するし、欲しいブランドや商品名を入力すれば、その商品に関連する回答が出るという仕組みだ。このように、顧客がスムーズにショッピングを楽しめるような手伝いをするのが、自然言語機能を持つWatsonの仕事である。

“「Watsonが小売店に導入されることで、さまざまなレベルで消費者との接点が生まれます。このユースケースでは、消費者の購買意思決定を支援するだけでなく、商品や施設、サービスを見つけやすくするという点で、店頭における体験にも効果があります」とIBM Watsonのゼネラルマネージャーは述べている。“

IBMのプレスリリース  “Macy’s Pilots IBM’s Watson In Partnership With Satisfi For In-Store, Personalized Shopping Companion”から引用

店員の役割とは?

人工知能が私たちの生活への影響力を増すにつれて、常に話題にあがるのは「人間の仕事を人工知能やロボットが奪うのではないか?」という懸念である。今回紹介した事例も、これまで人間がやってきた仕事をWatsonが担うケースである。しかし考えてみるとこれにはメリットもある。今後例えばデジタル店員が増えることで、顧客は、より正確な情報を素早く入手できるようになるだろうし、機械が代替できる仕事(例えば「トイレはどこですか?」という質問は相手が人間じゃなくても全く構わないだろう)は人間がしなくとも済むようになる。これにより、今後人間はより人間ならではの仕事をすることになるだろう。 

しかし、私たちがやりたいと思う仕事や、なすべき仕事を人工知能が奪うとなると話は別だ。私たちが今すべきことは、人工知能開発においてボーダーラインを明確に決めることである。人間がすべきことと人工知能がすべきことの境界線である。Macy’sもこのことには自覚的だ。

目的は、従業員が顧客のより複雑な要求に集中できるようにしながら、売上を拡大することだ(原文:The goal: Boost sales while freeing up employees to focus on more complicated customer requests.)

Business Insider の記事“Macy’s On Call launches with IBM’s Watson” から引

 

人間が人工知能に何を求めるのかを明確にすることは、将来人工知能と人間がよりよい形で共生することにつながるだろう。

 

Macy’s 、人工知能(AI)を使ったモバイルツールテストを開始。店頭での対面接客に代わるツールとなり得るか | オムニチャンネルマガジン

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