AI、クラウド、ビッグデータ活用――テクノロジーの進化によって、世界は劇的な変化を遂げつつあります。産業や金融、医療などの分野ではもちろんのこと、日々私たちを楽しませてくれるスポーツの領域でも、ドラマチックな変化が起こり始めています。

全米オープンを支えるIBMのテクノロジー

世界中のテニスファンが注目するイベント、全米オープン。ここでも、IBMの最新テクノロジーによって劇的な変化が生まれています。

全米オープンは、毎年8月、米国ニューヨークのUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターで開催されるグランドスラム4大大会の一つ。今年、大坂なおみ選手が優勝したことも大きな話題となりました。

IBMは25年にわたって、USTA(United States Tennis Association:全米テニス協会)のデジタル戦略パートナーとして全米オープンを支えてきました。公式Webサイトの制作・運用から始まった両者の取り組みは、IBM Cloud やIBM Watsonを始めとした最新のテクノロジーの活用を経て、さらにエキサイティングな局面を迎えています。

テニスコートの臨場感を自宅で楽しめるテクノロジー

たとえば、SlamTracker。これは、スコアデータやサーブの深さ、選手が置かれている状況、プレイスタイルなど試合に関するあらゆる情報を用いてリアルタイムに戦況を分析するシステムです。このシステムは、IBMの予測分析技術を使用しており、12年間におよぶグランドスラムの情報を参照しながら、分析結果を一目で分かるビジュアルにまとめ、「試合に勝つためにこの選手が何をしなければならないか」といった情報までファンの手元に届けます。

Virtual Conciergeは、Facebookのメッセンジャーや全米オープンなどのプラットフォーム上で動作するWatsonベースのチャットボット。スコア情報から大会会場周辺の交通情報や飲食店の場所案内、公式グッズ購入の手助けまでしてくれます。

IBM Cognitive Highlightsは、世界各国のファンに臨場感あふれる試合映像をリアルタイムで配信します。かつて、大量の試合情報とビデオデータを照らし合わせてシーンを編集するのは大変な作業でした。しかし、IBM Cognitive Highlightsは、AI技術を活用することによって試合のデータや観客の声援などを分析して試合の重要ポイントを特定し、自動的にハイライトシーンを抽出します。

さらに、これらのサービスをバックグラウンドで支えるのは、IBM Cloud。大会開催期間中のアクセスの状況に応じて柔軟にシステムの規模を調整し、動作遅延やフリーズなどを回避して、快適なブラウジング体験をファンに提供します。

AIが選手のパフォーマンス向上に貢献!

そして、これらのテクノロジーはテニスファンだけでなく、出場選手やコーチ陣にも革命をもたらしました。彼らにもIBM Cognitive Highlightsのサービスが提供されたのです。これまで手作業で行われていた試合映像の解析作業は劇的に軽減され、AIがはじき出した数々の洞察が今後の選手のパフォーマンス向上にとって有意義なヒントとなるに違いありません。

「スポーツは生で観戦してこそ」――その意見にも一理ありますが、テクノロジーの力によって、会場に足を運ぶことができなくても、リアルに近いエキサイティングな体験が可能になってきました。日本のテニスファンの皆さんもぜひ、「リアルに迫るバーチャル」のパワーに触れてみてください。

photo:Getty Images