転職の自己PRの書き方や例文を解説!好印象になるコツとは?

転職の自己PRの書き方や例文を解説!好印象になるコツとは?

転職する際には必ず履歴書と職務経歴書を作成しますが、その時に非常に重要なのが「自己PR」です。

自己PRで自身の能力やキャリアをいかに魅力的に伝えるかで、書類選考を通るかどうかが決まるといっても過言ではありません。

また、書類選考をパスして面接に進んだ時も必ず「自己PRして下さい」という質問をされるでしょう。

今回はそんな転職成功のカギともいえる自己PRの書き方や例文、コツなどを紹介していきます。

そもそも企業は転職の自己PRで何を知りたい?

応募者の能力や採用するメリットを知りたい

結論から言うと、企業は自己PRによって応募者の人格や能力、採用するメリットなどを知ろうとしています、

自己PRは書類にしても面接にしても伝えられる量に限度があるので、簡潔かつ分かりやすく自分の魅力をアピールする必要があります。

詳細は後述していますが、具体的なエピソードや根拠となる数字などを盛り込むと良いでしょう。

応募者が自社とマッチしているか知りたい

また、応募者の能力だけでなく性格やスキルが自社とマッチしているかどうかも、自己PRを通して知ろうとしています。

どれだけ優れた学歴や経歴を持っていても、そのスキルや性格が求めている人材とマッチしていないと無意味だからです。

場合によってはスキルは少し不足していても、自己PRで人柄が評価されれば採用されるケースも多いです。

自己PRだけでは判断できないと考える企業もある

一方で書類と1分程度の自己PRだけではどんな人材かわからない、と考える人事担当者もいます。

実際、ベテランの面接官でも数枚の応募書類と1時間未満の面接で応募者の全てを推し量るのは、至難の業です。

ただ、それでも企業側は応募書類や面接で採用を決めなければなりませんので、必然的に自己PRじゃ採用を検討する際の大きなカギになってくるのです。

転職における自己PRの書き方やポイント

文字数は200〜300文字程度を目安にする

自己PRの書き方で最も重要なのが、文章が長くなりすぎないように注意しておおよそ200~300文字に抑えるというものです。

履歴書の場合は記入スペースが限られていますし、自由度の高い職務経歴書であっても長すぎる自己PRは読みづらい印象を与えてしまいます。

かといって100文字未満の自己PRだと今度は入社意欲が低いと判断されてしまう可能性があるので、注意して下さい。

アピール内容は他の応募者との差別化を意識する

自己PRでアピールする内容は、他の応募者と差別化をするように意識しましょう。

「どんな仕事も真面目に取り組む」、「リーダーシップがあります」といった自己PRだと他の応募者と被ってしまう確率が高いです。

アピール内容が被ってしまうと学歴や職歴だけで優劣が決まってしまい、採用において不利になる場合もあるでしょう。

そのため、他の応募者にない独自の強みを打ち出したり、「50人いる部署で管理職を経験しており、リーダーシップを発揮して担当したプロジェクトでは前年比で130%の売上を達成しました」など具体的かつ成果が分かりやすい自己PRにして差別化を意識しましょう。

アピールポイントは1つに絞る

自己PRでのアピールポイントはなるべく1つに、多くても2つにしぼりましょう。

自己PRで強みをいくつも書いてしまうと1つ1つの内容が短くなり、十分なアピールをすることができないからです。

企業研究で企業が求めている人物像を分析し、自分の強みと照らし合わせた時に最も効果的にアピールできそうな内容を書くと良いでしょう。

あまりおすすめはしませんが、どうしても複数のアピールポイントを記載したい場合は、箇条書きにして職務経歴書で補足したり、面接で解説する形にしましょう。

PRの根拠となる数字や成果を記載する

自己PRを書く際は、根拠となる数字や成果を記載するのも大切です。

具体的にどのような仕事をして、どのような成果を出したのかを書きましょう。

単に前年比で200%の成果を出しましたと書いても、担当者からすれば嘘か真か分かりませんし、同じ200%でも100円の売上を200円にしたのと、1,000万円の売上を2,000万円にしたのとでは全く印象が異なります。

そのため、PRの内容は合わせて根拠となる情報や数字も必ず記載するようにしましょう。

応募企業とマッチする内容を意識する

自己PRは応募企業が求める人材や、担当する仕事内容とマッチする内容を意識するのも大切です。

どんな素晴らしい自己PRでも、その内容が使いまわしであったり、応募先の企業が求めている人物像と異なれば評価されないからです。

そのため、自己PRを書く際は、応募する企業1社1社に合わせて最適化した内容にしましょう。

20代の転職や異業種転職の場合は成長意欲や熱意をアピールする

ポテンシャル採用が見込める20代の転職や、完全に未経験の職種へ異業種転職を行う場合は成長意欲や熱意をアピールしましょう。

未経験の業界に転職する場合、ライバルに経験者がいると圧倒的に不利になります。

その時に採用担当者から好印象になるのが、積極的に知識を学んでいく意欲や、絶対に貴社に入社したいという熱意の強さです。

そのため、自己PRを書く際は転職先でも評価されそうな経験や実績だけでなく、熱意も積極的にアピールしていきましょう。

転職で好印象な自己PRを行うための方法

まずはこれまでのキャリアを振り返る

転職で効果的な自己PRを行うためには、まずは自分のこれまでのキャリアを振り返り、整理していく必要があります。

自分が今まで勤めていた会社でどんな仕事をして、どんなスキルを身につけたかを、具体的に書き出しましょう。

キャリアを書く際は、ノートやスマホに「キャリアの棚卸し」していくのがベストです。

キャリアから貢献できることを考える

ノートやスマホにキャリアの棚卸しを記載したら、今度はその内容を見ながら自分が応募する企業にどうやって貢献することができるかを考えましょう。

その際、応募する企業が業界のどんな位置にあって、どんなビジョンを持っているのかなどを調べた上で、「自分はこの会社が目指している方向に対して、こういう形で貢献することができる」という具体的なシナリオを考えることが大切です。

自分の強みを自己PR文にまとめる

志望する企業に自分がどのように貢献できるかが明確になったら、それをアピールの軸にして自己PR文をまとめます。

企業にとって有益になる自分の強みをしっかりと盛り込んで、説得力のある文章にまとめることが大切です。

【業種別】転職で好印象な自己PR文の例文

自己PR文を書く際は、次のように段階を踏んで書き進めていくと、より説得力のある文章になります。

  1. 結論となる自分の強み
    「自分の強みはこうです」「自分はこんな考え方を持って仕事をしてきた」といった結論を、最初の段階ではっきりと伝える
  2. エピソードを用いて強みの根拠を示す
    なぜそれが自分の強みなのか、理由を説明できる事例を具体的に示す
  3. その強みを新しい職場でどう生かせるか伝える
    前職での成果やスキルを新しい職場でどのように活かし、貢献できるのかを伝える

①~③の順に書き進めると、どのようになるのか、例文を挙げてご紹介しましょう。

教育系に転職する自己PR例文

①の強み

私は指導力の高さが強みです。

②の根拠

前職では小学校の教師として5年間勤務し、生徒や保護者からの信頼や評価された結果、優秀教員賞を受賞しました。

特に算数科の成績向上に貢献し、全国模試で平均点以上を取る生徒が80%以上になりました。

③の活かし方

貴社の教育事業においても、生徒一人ひとりの個性やレベルに合わせた指導ができると考えております。

また、保護者や関係者とのコミュニケーションも円滑に行い、信頼関係を築くことができると思っております。

マーケティング職に転職する自己PR例文

①の強み

私は前職で培った分析力と企画力の高さが強みです。

②の根拠

前職ではWebマーケティングチームのメンバーとして様々なプロジェクトに参加させていただきました。

その中で最も成果を出したのは、競合分析や顧客調査をもとにした新規サービスの立案でした。

サービスはリリース後半年で月間利用者数10万人を突破し、会社の1年の売上の約30%をサービス単体で確保しました。

③の活かし方

貴社のマーケティング部門においても、市場や顧客のニーズを的確に把握し、効果的な施策や企画が提案できると考えております。

また、データ分析やレポート作成なども得意ですので活用させていただければ幸いです。

デザイナーに転職する自己PRの例文

①の強み

5年間様々な広告やロゴの作成に従事した経験から、クリエイティビティと技術力の高さには自信があります。

②の根拠

前職ではグラフィックデザイナーとして広告やロゴのデザイン制作を行わせていただきました。

その中でも最も評価されたのは、大手飲料メーカーのキャンペーン用ポスターでした。

このポスターは色彩や構図が斬新で目を引くだけでなく、商品イメージやメッセージも伝えることでかなりの広告効果があったようで、飲料メーカーから直々にお礼をいただきました。

③の活かし方

貴社のデザイン部門においても、オリジナリティあふれるデザイン制作で貢献をしたいと考えております。

また、PhotoshopやIllustratorなど様々なツールを使いこなせる技術力も持っております。

営業職に転職する自己PR例文

①の強み

コミュニケーション力と交渉力の高さが強みです。

②の根拠

前職では不動産会社の営業として3年間勤務し、月間売上目標を常に達成しました。

特に新規顧客開拓に力を入れ、電話やメールだけでなく、飛び込みやイベント参加なども積極的に行いました。

契約成立までの交渉やフォローも丁寧に行い、リピート率や紹介率は部署でもNo.1でした。

③の活かし方

貴社の営業部門においても、幅広いチャネルから顧客を獲得し、信頼関係を築くことができると考えております。

また、商品やサービスの魅力を効果的に伝えることができる交渉力も持っております。

一般事務に転職する自己PR例文

①の強み

事務処理能力とチームワークが高さが強みです。

②の根拠

前職では医療機関の事務員として2年間勤務し、受付や会計など患者対応だけでなく、書類作成やデータ入力など裏方業務も行っておりました。

その中でも最も評価されたのは、医師や看護師など他部署との連携をスムーズに行うことができた点です。

例えば、予約管理システムの改善案を提案したり、診療報酬請求書の作成方法を共有したりすることで効率化や品質向上に貢献しました。

③の活かし方

貴社の事務部門においても、正確かつ迅速な事務処理能力が発揮できると考えております。

また、他部署や外部関係者とのコミュニケーションを円滑に行うのも得意です。

エンジニアで転職する自己PR例文

①の強み

私はプログラミングスキルと問題解決能力の高さに自信があります。

②の根拠

前職ではIT企業のエンジニアとして4年間勤務し、Webアプリケーション開発や運用保守など様々なプロジェクトに参加させていただきました。

その中でも最も成果を出したのは、既存システムのパフォーマンス改善やセキュリティ強化を行ったプロジェクトです。

このプロジェクトではレスポンス時間を半分以下に短縮して、チームメンバーへの教育やサポートも行った。

③の活かし方

貴社の開発環境や要件に合わせて最適な技術選定や設計・実装ができます。

ハウスメーカーから不動産営業に転職する例文

①の強み

私はハウスメーカーの建売住宅部門の営業職で、売上トップを何度も取っているのが強みです。

②の根拠

10年前にはじめて営業職に就いたときはがむしゃらに宣伝活動をしたり、数字にこだわっていました。

しかし、1年ほど経った時に自分の仕事に満足されるお客様が増えると、営業成績も伸びることに気づきました。

その結果、契約本数は年々順調に伸び昨年度は部署でトップの成績かつ社長賞をいただきました。

また、お客様のご要望に応えられる有益な情報を社内で共有したいと思い、クラウドなどを利用して業務の効率化や社内の情報共有にも取り組み、結果として営業部の売上が前年比で130%になりました。

③の活かし方

御社に入社後も培った経験をもとに、貴社の住宅販売部門でさらなる売り上げアップに貢献したいと考えております。

転職でNGな自己PRの例や注意点

企業が求める人物像とズレたアピールをしている

自己PRを書く際は、企業が求めている人物像と乖離したアピールを行わないように注意しましょう。

例えば工場の作業員の募集に対し、エンジニアのスキルやデザイナーとしてのスキルをアピールしても無意味です。

前述した企業研究を活用して、企業が求めている人物像をマッチしている自己PRをするのが重要です。

自己PRの文章が長すぎたり短すぎる

自己PRの文章は200文字~300文字程度が最適とされていて、長すぎても短すぎても印象が良くないので注意しましょう。

書類の自己PRであれば記入欄の8割程度の文量に、面接の自己PRであれば1~2分に収まる文量を意識しましょう。

専門用語や社内用語が使われている

専門用語が社内用語が使われている自己PRも、採用担当者からの印象が良くないので注意して下さい。

専門用語に関しては採用担当者がたまたま現場の上司で、相応の知識を持っている場合には有効になることがあります。

しかし専門外の単なる人事担当が自己PRを見ることも多いので、通じない専門用語があると、「自己PRは誰が見ても通用する内容にする」という一般常識のない応募者と判断されます。

社内用語に関しては論外で、前職では当たり前のように使っていても応募先からすれば意味不明な言葉になるので印象は最悪です。

転職の自己PRを考えると面接の質問に自信を持って答えられる

自己PRは「志望動機」や「自分の強み」「会社に貢献できること」、応募時や面接時に質問される内容すべてに関わってきます。

そのため、完成度の高い自己PRを仕上げることで、自分自身のアピールポイントが把握でき、面接時の質問に自信を持って答えられるようになるでしょう。

応募者が多数いる場合は面接の質問への答え方で採用の可否が決まるので、魅力ある自己PRをできる応募者は間違いなく採用で有利になるでしょう。

転職における自己PRの書き方や例文まとめ

今回は転職において重要な自己PRの書き方や例文について紹介しました。

志望する企業を説得させられる、効果的な自己PRを作成するには、このように段階を踏んでしっかりとした根拠と説得力のある内容にすることが大切です。

今までの自分のキャリアを振り返り、それをどのように活かして新しい会社に貢献することができるのか、じっくりと考えてみましょう。