転職の平均応募数は?年齢別の応募数や同時の目安を紹介

転職の平均応募数は?年齢別の応募数や同時の目安を紹介

会社を退職することに決め、「いざ転職活動を!」というときに、いったい何社の採用試験に応募したらいいのかはとても気になるところです。

年齢や性別によっても応募数は異なるので、自分が応募する件数の目安を知っておくと、落ち着いて計画的に転職活動を進めることができるでしょう。

転職活動の平均応募社数は?

リクルートキャリアの調査で平均応募社数は18.27社

株式会社リクルートが転職を実現したビジネスパーソンを対象に行った調査によると、「今回の転職活動では何社応募されましたか?」という質問に対し、2274人の回答者の中で最も多かったのは男女ともに応募数16~20社で、平均応募社数は“18.27社でした。

2014年2月に行った前回調査では19.28社だったので、年に関わらず18~19社ほどに応募している人が多いことが分かります。

参考:リクルート「第27回転職世論調査」

18社と聞くとたくさんの企業に応募するイメージがありますが、あくまで応募数であり面接に進んでいるのはこの内の一部でしょう。

人によっては30社、100社を受けても面接にすらほとんど進めないことがあるようです。

DODAは1社の内定に最適な応募数は19,4社と言っている

また、大手転職エージェントの「DODA」も、2021年1月~12月の1年間にエージェントサービスを利用して内定した転職者を対象に、内定を得るために必要な応募数や面接数を調査しました。

その結果、あくまで数字上の話ですが、「1社以上の内定を得るには、5社の面接を受ける必要があり、そのためには19.4社の求人に応募する必要がある」と報告しています。

参考:doda 転職成功者の「平均応募社数」は?

先ほどのリクルートキャリアの調査結果の平均応募数である18社とほとんど同じ数字であることからも、転職を成功させるには18社程度に応募する必要があると言っても良いでしょう。

年齢別の転職に必要な平均応募社数

転職で内定を得るには平均で18~19社の応募が必要と説明しましたが、これはあくまで全体の平均なので年齢によって応募数の目安は大きく変わってきます。

そこで以下に年齢別の転職に必要な平均応募数を紹介します。

年齢が上がるほど転職に必要な応募数は増えていく

~25歳13.62社
26~30歳14.98社
21~35歳15.61社
36~40歳20.26社
41歳以上23.65社
36歳から平均を超える応募が必要になる

36歳以上の転職者に関しては、厳しい現実ですが平均を超える応募をしなくては採用される確率が低くなります。

ある程度の年齢になってから転職を考える人は、簡単に内定が得られない前提で動く必要があるでしょう。

逆に25歳以下など若い人材は、平均の18社以下の応募でも採用される確率が高いです。

41歳以上の転職者は4人に1人が31社以上に応募している

年齢と共に転職者の応募数が増えるのは仕方のないことですが、最も気になるのは41歳以上の転職者の応募数です。

先ほどのリクルートキャリアの調査によると、41歳以上は転職活動で31社以上応募したと答えた人が、26.6%もいます。

36~40歳でも30社以上の応募者が17.4%とかなり高い数字になっていますが、転職に際し相当苦戦していることが伺えるデータです。

女性は36歳以上で転職に必要な平均応募数が2倍以上に跳ね上がる

次に性別別のデータとして、女性の転職者の応募数について紹介していきます。

年齢男性女性
~25歳14.56社12.56社
26~30歳15.25社14.04社
21~35歳16.52社11.35社
36~40歳19.84社24.00社
41歳以上23.33社31.60社

表を見ての通り、女性の転職者は21~35歳までの平均応募数は11.35社と、平均と比べて少ない応募数で転職に成功しています。

一方で36~40歳になると内定までの応募数の平均は24.00社と、2倍以上に跳ね上がっています。

41歳となると平均で31.60社と、25歳以下の平均応募数の2.5倍になってしまうことから、女性は一定の年齢から転職の難易度が跳ね上がると言えるでしょう。

90社に応募した末に内定を勝ち取った20代男性の体験談

では、次に90社以上に応募して内定を勝ち取った、20代男性の体験談を紹介していきましょう。

転職活動で何社に応募しても内定が決まらない

20代後半の男性Aさんは新卒で建設会社に就職して営業事務の仕事をしていましたが、建設会社独特の体質になじめず、転職を決意して退職しました。

転職活動を始めたものの、何度応募しても内定が決まらず、ついに応募数は90社を超えてしまいました。

毛嫌いしていた建設業に応募してみた

そこで悩んだAさんは、今まで建設業界を毛嫌いしてきたことを反省し、自分が経験してきた建設会社にも応募するようになりました。

すると、今度は一転して前職の経験が評価されるようになり、建設資材の会社への転職をすんなりと成功させることができました。

応募する業種を変えるとあっさり内定を獲得

晴れて転職を果たしたAさんは、「建設業界が自分に合わない」というのも、自分の思い込みだったことに気付きました。

このように何社応募しても転職先が決まらない場合は、自分の転職に対する考え方を見直してみるのも、転職を成功させる方法のひとつです。

特に何社に応募しても内定がもらえない人は、一度異なる業種に応募してみるとあっさりと仕事が決まるかもしれません。

転職の応募数における注意点

企業への応募は多過ぎても少な過ぎてもNG

企業への応募数は多すぎても少な過ぎても、転職でマイナスの影響を及ぼします。

転職者によってはまるで応募数のギネスに挑戦するように、同時に50社など片っ端から応募する人がいますが絶対にNGです。

採用試験は“数打てば当たる”というものではなく、本当に行きたいと思える会社をよく調べて応募しないと、仮に面接に進んでも中身のあるPRができず落とされるでしょう。

多過ぎず、少な過ぎず、適度な数の企業に適切なタイミングで応募するのが、転職を成功させるためのベストの方法です。

無理にならない範囲で複数に応募する

反対に1社ずつ律義に応募して、不採用になったらまた次の企業に応募すると今度は転職期間が長引きすぎるので注意しましょう。

闇雲でなく、無理にならない範囲で複数の企業に応募するのが良いでしょう。

仮にA社に落ちてガッカリするようなことがあっても、次の日にB社の内定が決まるといったようなことがあり得るので、転職を短期間で成功させることができます。

「採用試験を1社ずつ受けないなんて応募先に失礼では?」という考えも正しいですが、最近は企業も複数社の採用試験を並行して受けている前提にしているケースも少なくありません。

転職で同時に応募するのは何社にするべき?

結論から言うと、転職で同時に応募するのは5社程度がおすすめです。

しっかりとスケジュール管理ができて、各社に合わせた自己PRができる人はもう少し増やしても良いですが、最初は5社程度にしておいた方が無理がありません。

最初から10社に同時に応募すると、スケジュールがガチガチになったり、面接日程がブッキングする、場合によっては1社の面接を忘れてしまう事故が発生するからです。

転職活動に慣れてきた方や、面接に進むケースが少ない場合は10社、15社と同時に応募しても問題ないでしょう。

転職で複数の企業に応募するメリット

メンタルが安定した状態で就職活動ができる

さまざまな企業に応募することで、「この会社に落ちたらどうしよう」という不安も薄らぎ、安定したメンタルで転職活動に臨めるのは大きなメリットでしょう。

仮に絶対に入社したい1社のみに集中して、気合いを入れて採用試験に臨んだ結果落ちるとメンタル的にかなりきついのでやめた方が良いでしょう。

転職はどれだけ気合いを入れたり、スキルに優れていても確実に成功するものではありません。

たとえば「Aさんには立派なキャリアがないので、気難しい上司からいろいろ言われても、素直に言うことを聞くだろう」といった、本人の努力とはまったく関係のない理由で採用されるケースもあります。

そのため、自分のメンタルを守る意味でも複数の企業に応募して、落ちた場合に備えておきましょう。

さまざまな企業を比較することで応募する企業の良さがわかる

複数の企業に応募することで、様々な企業を比較できるのもメリットです。

ひとつの企業に応募すると他社と比較することができないので、実は悪い部分があっても気づくことができません。

たとえば社員食堂の施設があって「素晴らしい!」と感じても、実際は他社の社員食堂より古くて料理も微妙だったりしても、複数の会社に応募して比較しないと良し悪しがわからないでしょう。

その点10社・20社と採用試験を受けていると、「今回応募したA社は、規模は小さいけれど素晴らしい。社員食堂の施設があって、社内も広々として清潔感がある」といったことが分かります。

毎日会社でたくさんの時間を過ごすことを考えると、比較して少しでも良い会社へ転職するのは大切です。

自分の考えが明確になってくる

複数の企業に応募して面接を受けることで、今までぼんやりとしていた転職への考え方が明確になってくるというメリットもあります。

自分の考えが明確でない段階でなんとなく転職をしてしまうと、いざ働き始めてから自分に合わず後悔する可能性が高いです。

しかし自分の目標や考えが明確な状態で転職すれば、いざ働き始めてから後悔せずに済みます。

複数社に応募している人が転職を成功させる方法

転職サイトを活用する

複数社に応募している人は、まずは転職サイトに登録してみると良いでしょう。

転職サイトには好条件な求人が多いだけでなく、自分の能力や希望に合った求人を検索することができます。

また、ハローワークやタウンワークにはない、好条件の非公開求人を利用することも可能です。

そのため、ハローワークで探すよりも、面接や採用まで漕ぎ着ける可能性の高い求人が多いでしょう。

転職エージェントを活用する

複数社に応募している人は、転職エージェントを活用することも転職を成功させる方法の一つです。

転職エージェントに登録すると、転職のプロであるキャリアコンサルタントが担当者として付くので、効率よく転職活動を進めることができます。

また、ひと口に転職エージェントといっても大手、ハイクラス特化、20代に特化など、さまざまな特徴を持ったエージェントがあるので、自分に合いそうな所に登録するのが大切です。

コンサルタントとの相性もあるので、2~3社に登録して最も相性が良さそうな転職エージェントに登録して、転職活動を進めていくと良いでしょう。

転職の応募件数に関するまとめ

今回は転職の応募件数の平均や、転職を成功させるコツなどを紹介しました。

転職活動は何社に応募しても書類選考で落とされたり、面接まで進んでも内定が得られず落ち込んでしまう人は多いです。

しかし、多くの方が18~19社ほど応募している事からも分かるように、複数社に応募しても落ちてしまうのはある種当然です。

10社・20社と応募するのは決して楽ではありませんが、落ちるのは自分だけじゃないので転職活動を続けていきましょう。