採用内定後の無難な断り方3選!辞退の例文やポイントも!

採用内定後の無難な断り方3選!辞退の例文やポイントも!

「企業から採用内定通知をもらったけれど、別の企業に行きたいので断りたい」というとき、いつどうやって断ったら、一番波風が立たないのでしょうか?

企業の内定を、最も無難に断る方法をご紹介します。

採用内定後に辞退する方法は?いつがベスト?

辞退を決めた時点で最速で断るのがマナー

内定を辞退することが決まっているのであれば、やはり1日でも早く辞退するのがマナーです。

企業は内定を出した以上、採用することを前提に業務を進めています。

そのため、辞退が遅れれば遅れるほど、断った時に迷惑がかかってしまいます。

少しでも早く辞退することで企業側が他の人に内定を出すこともできますし、他に候補がいなければ再度求人をかけることもできます。

辞退はメールや手紙でなく電話が無難

内定を辞退する際はメールや手紙ではなく、電話で辞退する旨を伝えましょう。

内定を辞退するのに直接話をするのは気が引けるかもしれませんが、内定を貰った以上は電話できちんと意思を伝えて企業側に納得してもらうのが社会人としてのマナーです。

メールや手紙は確かに届いたかどうかがはっきりしないので、内定辞退の方法としては不向きです。

採用担当者も内定を辞退される経験は何度もあるはずなので、残念だとは思ってもトラブルになるようなケースはほとんどありません。

採用内定後の無難な断り方を理由別に紹介

「職種」を理由に内定を辞退する場合

職を理由に内定辞退をする場合、素直に「御社の〇〇職でなく、別で内定をいただいた〇〇職の方が自分がやりたかったことに近いため、辞退させていただきます」とストレートに伝えてしまって大丈夫です。

例えばとりあえず営業職に応募して内定を得たけど、本当にやりたかったのは総合職で、後から総合職の内定を得た場合などは、自分の人生なので断りましょう。

企業側も職種が理由の内定辞退であれば、納得してくれる所が大半でしょう。

「適性」を理由に内定を辞退する場合

適正を理由に内定を辞退するのも、無難な断り方の一つでしょう。

「御社から内定をいただいたのですが、適正を鑑みた結果、他に内定をいただいた会社での仕事の方が適性があると感じましたので、内定を辞退させていただきます」と断ってしまって大丈夫です。

例えば運輸業界で内定を獲得したものの、その企業がブラックという実態を知ったり、後からIT業界の内定を得てそっちの方が適正があると判断した場合は辞退するべきでしょう。

「待遇」を理由に辞退する場合

待遇を理由に内定辞退をする場合、ありのまま説明をするのは失礼にあたるので、配慮をして伝える必要があります。

よくあるのが面接を受けた結果、2社で内定を得たものの、待遇面や福利厚生面が優れている会社を選びたい場合です。

同じ仕事をするなら給与や福利厚生が優れた企業で働くのは当たり前ですが、「別の会社から内定をもらったので辞退します」と言ってしまうと会社に対して失礼にあたります。

そのため、「一身上の都合で内定を辞退させていただきます」と理由を伏せつつ、相手にそれ以上の詮索されづらい断り方をするのがおすすめです。

「家族の反対」を理由に辞退する場合

内定辞退で地味に多いのが、妻や彼女に転職を反対される通称「嫁ブロック」です。

女性は環境の変化を恐れる傾向があるため、男性の転職に反対する人が少なくありません。

特に年齢によっては転職の際に半数以上の人が嫁ブロックを喰らってしまうとも言われており、説得できずに転職を断念する男性は多いです。

企業側も嫁ブロックによる内定辞退は悩みの種で、慣れているので「妻に反対されたので申し訳ないのですが内定辞退をさせていただきます」と伝えてしまって大丈夫です。

内定を辞退の理由は聞かれた場合を除いて無理に話さなくてもOK

内定辞退の電話を入れる際ですが、向こうから辞退の理由を聞かれない場合は無理に話す必要がありません。

もし内定辞退したい旨を伝えて、「そうですか、わかりました」と終わるようであれば、そのまま電話を終えてしまっても問題ありません。

内定辞退の理由を聞かれたら正直に話す

とはいえ、ほとんど採用担当者は「差し支えなければ辞退の理由を教えていただけますか?」と聞いてきますので、その場合は前述したように辞退の理由を話して良いでしょう。

内定辞退の理由は興味本位で聞く人もいますが、大半はデータを集めて来年に向けて改善したり、上司や経営者に報告をするためです。

そのため、待遇を理由とした内定辞退のように、そのまま伝えると失礼にあたる場合を除き、正直に話してしまって良いです。

電話で内定を辞退するときの例文

電話で辞退する際の例文と流れ

まずは人事に繋いでもらう

あなた「お忙しいところ申し訳ございません。私(わたくし)は先日面接を受けさせていただきました〇〇と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?

受 付「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

担当者「お電話代わりました。人事の〇〇でございます」

内定を辞退する旨を伝える

あなた「お忙しいところ、大変失礼致します。ただいま少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

担当者「はい、大丈夫でございます」

あなた「先日は内定のご通知をいただき、誠にありがとうございました。せっかく内定をいただきながら、このようなことを申し上げるのは非常に心苦しいのですが、御社の内定を辞退させていただきたく、ご連絡させていただきました」

辞退する理由を伝える

担当者「そうですか。こちらとしても〇〇さんにはぜひ入社していただきたかったので、非常に残念です。差し支えなければ、辞退をされる理由をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」

あなた「はい。御社と並行して〇〇業界の会社の採用試験を受けたのですが、先日そちらからも内定をいただきました。自分としても最後までどうするべきか悩みましたが、やはり〇〇業界の仕事が自分には合っているという結論に至り、最終的にそちらの会社への入社を決断させていただきました。

担当者「そうだったんですか。そういう理由では、仕方がありませんね。了解いたしました」

あなた「本来はこちらから直接お詫びに伺うべきところ、取り急ぎお電話でのご連絡となり、誠に申し訳ございません」

担当者「そこまでしていただく必要はございませんので、どうぞ新しい会社でご活躍ください」

あなた「ありがとうございます。そのように言っていただき、心から感謝申し上げます。貴重なお時間をいただきながら、ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません。それでは、これにて失礼致します」

メールで辞退する場合の例文

どうしても電話で内定辞退をするのが難しい場合は、メールで内定を辞退することもできます。

ただ一般的にはあくまでも電話での辞退がマナーです。

そのため、もしメールで辞退する場合は、以下のようにメールでの辞退となって申し訳ない旨を伝えましょう。

  • ○○株式会社
    人事部 採用担当 〇〇様
    先日面接を受けさせていただいた○○です。
    この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。
    大変恐縮ですが、今回は内定を辞退させていただきたくご連絡を差しあげました。

    内定をいただいた後、貴社の仕事内容や自身の適性を考えた結果、別な会社で内定をいただいた▲▲職の方が私がやりたかった仕事に近いため、このような決断となりました。
    本来ならば直接お伺いしてお詫び申し上げなければならないところを、メールでのご連絡となり誠に申し訳ございません。
    最後になりますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
    今後、何かの縁でお会いすることがありましたら何卒よろしくお願いいたします。

    ▲▲ ○子
    〒XXX-XXXX
    東京都××区××1-2-3
    tel:090-0000-0000
    mail:XXXXXXXXXXX@gmail.com

メールで内定を辞退する際は、上記を参考に誤字脱字にはくれぐれも注意して下さい。

内定辞退をメールでする行う時点でマナー違反なので、誤字脱字があるとさらに印象が最悪になってしまうリスクがあるでしょう。

内定辞退の現状は「内定辞退率65%」

2023年2月に発表された大卒の内定辞退率ですが、実に65%にも上っていることが分かっています。

企業から内定を獲得した人が10人いれば、6~7人は内定辞退をしている計算です。

このデータからも分かるように内定辞退という行為は極めて一般的なものですし、企業側も内定辞退をされる経験に慣れています。

複数の内定があればより好条件が出ている企業で働くというのは労働者として当然の選択ですので、失礼さえなければ気にせず辞退をして大丈夫です。

参考:大卒人材は「売り手市場」も…「内定辞退率65%」

内定辞退のトラブルを避けるために知っておきたいこと

内定そのものに拘束力はない

内定辞退をする人が最も恐れているのが、辞退に伴う企業とのトラブルでしょう。

内定を辞退したら後日呼び出しを喰らったり、入社するように脅される、損害賠償を請求されるといったトラブルは非常に多いです。

ただ、実際は内定を出したからといって企業に法的な拘束力はありません。

そのため、仮に内定辞退の後に脅されるようなことがあっても、その訴えは法的には通らないケースが大半なので安心して下さい。

連絡がギリギリだと内定辞退が問題になるケースもある

ただし、一部例外として内定辞退が問題になるケースもあります。

具体的には入社予定日の2週間以内に内定辞退をすると、問題になってしまう事があるのです。

内定そのものには法的拘束力はなく、内定は労働契約なので「労働者側が2週間前に申し出ればいつでも解約可能」ですが、逆に入社の2週間以内に辞退をするとトラブルに繋がりやすいです。

これは入社日まで2週間を切った段階で辞退されても、既に会社側はパソコン等の備品を用意したり、研修の費用が発生しているためになります。

この場合に限っては、損害賠償を請求されることもあるでしょう。

内定辞退と内定取り消しの違い

また、内定辞退のトラブルを避けるためには「内定辞退」と「内定取り消し」の違いについて把握しておくことも大切です。

内定辞退は採用候補者からの「労働契約の解約」ですが、対する内定取り消しは企業側からの労働契約の解約になります。

内定取り消しとなってしまえば再度の内定を獲得することはほぼ不可能なので、別の企業での内定獲得に向けて動く必要が出てくるでしょう。

内定を辞退する時の注意点

時間帯に注意する

内定辞退の連絡をする場合ですが、まず時間帯に細心の注意を払って下さい。

一般的に始業直後、就業直前、昼休みに内定辞退の連絡をするのは望ましくないとされています。

そのため、内定辞退をする企業の就業時間を調べて、担当者が最も電話を取りやすい時間帯を目掛けて連絡すると良いでしょう。

一般的な企業であれば11時~12時前、14時~16時頃に電話をするのが望ましいでしょう。

辞退する会社に敬意を払いつつ断る

また、内定を辞退する会社に対して敬意を表しながら話すことも大切です。

先方はたくさんの時間と労力、費用を払って内定を出していますので、「あちらの会社の方がいいから決めました」と経緯のない電話をもらえばムッときてしまうでしょう。

あくまでも社会人として失礼のないよう、たとえ断る場合であっても礼を尽くす必要があります。

「本来はこちらから直接お詫びに伺うべきところ」といった、実際に会社まで謝りに行く人は居ませんが、内定を断ることをそれぐらい重く受け止めていることを辞退する会社へ伝えるべきでしょう。

内定辞退する際のおすすめの流れ

内定を辞退する際の流れですが、以下のように進めるのがおすすめです。

  1. 人事担当者が電話に出たら、まずは相手の都合を確認する。
  2. その次に、内定を辞退したい旨をはっきりと伝える。
  3. 申し訳ないという気持ちを心から伝える。
  4. 電話で謝罪をする失礼をお詫びする。
  5. 最後にもう一度お詫びの言葉を述べる。

相手よりも後に電話を切る

内定辞退の電話をした際は、必ず相手より後に電話を切るようにして下さい。

内定辞退をしたのに相手より先に電話を切ってしまうと、非常に失礼にあたってしまうためです。

必ず相手が電話を切った「ガチャッ」という音を確認するか、無言になってからしばらく間を置いて、相手が切ったのを確認してから切りましょう。

理由は聞かれた場合にのみ話す

内定辞退の理由ですが、基本的には聞かれた場合以外は話す必要がありません。

聞かれてもいないのに理由をペラペラと話すと、逆に悪印象になってしまうことがあるので注意して下さい。

内定承諾書を出した後でも採用を断ることはできる?

内定承諾をした後でも断ることは可能

結論から言うと、仮に内定承諾書を出した後でも採用を断ることは可能です。

前述したように内定には法的な拘束力がなく、会社にも応募者にもまだ断る権利があるからです。

ただし、最低でも入社の2週間前に内定辞退をする、仮に入社までに十分な時間があったとしても、1日でも早く連絡するなどして、企業になるべく迷惑をかけないようにするのがマナーです。

内定承諾後の辞退は丁寧な謝罪が必須

内定承諾後のキャンセルは、企業側はすでに採用に向けて社内で様々な準備をしている可能性が高く、金銭・労力の面で多大な迷惑をかけてしまいます。

そのため、内定を断る企業に対して心底お詫びする気持ちを持って、通常の内定辞退よりも一層丁寧に謝罪する必要があります。

今後の仕事でその企業と関わる可能性もあるので、内定承諾後に辞退する際は、電話で辞退する旨を告げた後に謝罪の手紙も送っておくと良いでしょう。

言葉だけでなく書面で深くお詫びの意を伝えることで、辞退する企業に対して誠意を示せるので、何らかの理由で再度関わることになった時も悪影響が少ないです。

採用内定後の断り方や辞退の注意点まとめ

今回は採用内定後の断り方や注意点などを紹介しました。

複数の企業で内定が出た場合、内定辞退という作業は必須です。

「どうせ二度と会わないのだし、適当に断ってしまおう」と思う人もいますが、ビジネスの世界はいつどこでその会社と接するかわかりません。

優良企業であれば次の転職で再度応募したくなる可能性もありますので、内定後の辞退は速やかかtしっかりと行うべきです。