退職理由を面接で聞かれた時の回答例6選!理由や答え方のポイントも解説

退職理由を面接で聞かれた時の回答例6選!理由や答え方のポイントも解説

転職の面接の際に必ず聞かれるのが退職理由があります。

面接がスタートすると早い段階で「なぜ前職を退職されたのか、理由をお聞かせいただけますか?」という質問が投げかけられるでしょう。

今回はそんな退職理由を面接で聞かれた時の回答の例文や理由、答え方のポイントなどを紹介していきます。

退職理由を面接で聞かれた時の回答の例文

キャリアアップが退職理由の場合の回答の例文

「行く行くはWebディレクターになることを目標に入社しましたが、3年間制作進行の仕事を担当し、上司に相談したところ配置換えの可能性はないとのことでした。
職場環境はよく、上司や同僚にも恵まれていたのですが、やはりWebディレクターの道を目指して退職を決意致しました。
御社のデザイナーに応募させていただき、将来的にはWebディレクターとして会社に貢献できるよう、一生懸命がんばりたいと思っております」

おすすめの理由

ネガティブな退職理由でなく、キャリアアップというポジティブな退職理由であることを伝えることで、面接官から好印象を得やすいです。

給与や人間関係が退職理由だと、「うちで採用してもまたすぐ辞めるのでは」と疑われてしまいますが、キャリアアップが目的の転職であれば採用すれば長く働いてくれそうなので面接官も安心です。

上司に不満が退職理由の場合の回答の例文

「前職では経験豊かな上司のもとで働かせていただき、仕事のノウハウをしっかりと学ぶことができ、とても勉強になりました。
ただ、前職場では変化を望まない意向があり、意見や改善点を言っても取り入れられることがなかったので、やむなく転職を決意致しました。
御社は常に新しいことを積極的に取り入れ、果敢にチャレンジする姿勢にとても共感いたします。
私もその一員として常に新しいアイデアを提案し、それを実現するために努力を惜しまない気持ちでおります」

おすすめの理由

上司の不満が退職理由の場合、ストレートに伝えるのでなく『会社の意向が合わなかった』『御社のやり方に共感した』という方向に持っていくのがポイントです。

上司の不満をそのまま退職理由にしてしまうと、採用しても上司に不満があればまた転職してしまうのではないかと思われるからです。

給与の不満が退職理由の場合の回答の例文

「前職では人間関係に恵まれ、日々充実して仕事をしておりました。
しかし結果よりも勤続年数で評価をされる会社でしたので、実力を正当に評価してもらえる企業で、自分の強みを発揮したいという思いが強くなりました。
そんな折に御社の求人票やホームページを拝見して、評価制度や経営方針の素晴らしさを知り、『この会社でぜひ働かせていただきたい』という強い思いを抱きました」

おすすめの理由

給与に不満が退職理由になっている人は非常に多いのですが、やはりこれもストレートに伝えてしまうのはおすすめしません。

『お金しか気にしていない』『会社や仕事内容はどうでもいいのか』と思われてしまい、あまり印象が良くないからです。

実際はお金のために転職するのだとしても、評価制度や会社に魅力を感じて転職するという方向に持っていった方が無難です。

残業時間の不満が退職理由の場合の回答の例文

「前職では、やりがいを持って仕事に取り組んでおりました。
昨年から会社により貢献するために〇〇の資格を取得したいと思うようになり、業務時間外に勉強をしようと思ったのですが、前職では残業が月に100時間ほどあったので時間を確保することができませんでした。
容易に取れる資格ではないため、職場の人間関係には恵まれている会社でしたが、やむなく転職を決意致しました。
御社では、私が取得をめ目指す資格を活かすことができると伺い、仕事を効率的に進めながら資格取得にチャレンジし、御社の業務に貢献したいと考えております」

おすすめの理由

残業時間が退職理由である場合も、ストレートに「残業が多すぎて最悪だった」と伝えると面接官からの印象がよくありません。

例文にあるように大量の残業時間があって資格勉強ができなかった、といった方向に持っていくことで、残業が多い中でも努力ができる人材とポジティブに評価してもらえるでしょう。

親の介護が退職理由の場合の回答の例文

「母が脳溢血になり自宅での介護が必要になり、前職の上司に相談をしましたが、私が休暇を取ると仕事が回らなくなるという事情があり、介護をしながらの勤務は難しいとのことで、やむなく退職致しました。
御社は介護中の人材も積極的に社員として採用する方針と伺い、応募させていただきました。
母は日中はデイサービスに行っておりますので、17時に退社して迎えに行くことで、問題なく勤務をすることができます。
朝も9時に母を送ってから10時に出社すれば、無理なく出勤できます」

おすすめの理由

介護を続けながらの仕事が難しかった事を退職理由にすることで、介護休暇などを歓迎している企業であればマイナス印象に取られることはありません。

転職後も介護が発生する場合は、デイサービスに預けることで仕事への影響は最低限に抑えられる、通常の勤務は問題なくできることをアピールするのも大切です。

ただ、介護に理解のない企業だと『介護で残業できないのは甘え』と思われてしまうので、求人票で介護に対する理解がある企業を選びましょう。

病気が退職理由の場合の回答の例文

「前職では営業の仕事をしておりましたが、毎月100時間ほどの残業を伴う長時間勤務と休日出勤が続き、体調を壊したことが理由で退職致しました。
6ヶ月間自宅で静養し現在は完全に回復したため、転職活動を始めました。
静養中に実感したことはどんなに好きな仕事でも、自己管理をしっかりしてこそ続けられるということです。
御社が私の希望する営業職を募集されていることを知り、また効率よく仕事を進めることを奨励されていることをお聞きし、ぜひ入社させていただきたいと思った次第です」

おすすめの理由

体調不良や病気が退職理由の場合、既に病気が完全に完治していて問題なく働けることをアピールするのが重要です。

まだ体調に問題があるかもしれない場合、採用してもすぐに退職されるのではないかという不安から、面接官が及び腰になってしまうからです。

また、「残業100時間」「休日出勤だらけ」といった、体調を崩しても仕方がない理由を説明することで、体が弱いと思われる心配もないでしょう。

面接官が退職理由を面接で聞く理由

次に面接官が退職理由を面接で聞いてくる理由を紹介します。

入社してもすぐ辞めるリスクを心配している

一番は退職理由によっては、入社してもすぐに辞めるリスクを心配しているケースです。

転職者が会社を辞めて応募していることは採用担当者や面接官も重々承知しているのですが、例えば応募者の履歴書を見て1~2年で辞めたことがわかると、採用してもすぐに辞めるリスクを心配をします。

採用時の年収によりますが、人材採用には1人につき100万円以上のコストがかかっていることも珍しくないので、すぐに辞められると企業は大打撃です。

そのため、採用してもすぐに辞めそうな退職理由ではないかを、面接において確認してくるのです。

すぐ挫折する弱い人間ではないかと心配している

退職を何度か経験している応募者の場合、すぐに心が折れる弱い人間ではないかという心配から退職理由を聞いている場合もあります。

心が弱い人間は仮に採用しても些細なことで退職してしまう可能性があるので、前述した採用コストの面から歓迎されません。

あるいは、何らかの病気を持っているのではないか、とあらぬ詮索をしていることもあります。

応募者に退職理由を聞いた結果、「そんな理由であれば退職も無理はないだろう」と納得してもらえれば、採用に悪影響が出ることはないでしょう。

トラブルを起こす人ではないかと心配している

採用すると何らかのトラブルや、職場内で不和を起こす人間ではないかと心配しているケースもあります。

例えば退職理由が「上司と揉めた」「クライアントと喧嘩した」などトラブルが原因だった場合、採用すると今度は自社で問題を引き起こす可能性が高いからです。

退職理由を聞いて問題ないと納得してもらえれば、面接官も安心して採用してくれるでしょう。

面接で好印象を与えられる退職理由の答え方のポイント

長期的に勤めたい意思を退職理由に盛り込む

採用してもすぐ辞めてしまうと思われないように、入社したら長期的に仕事をしていきたいことを面接官にアピールしましょう。

面接官が中途採用で最も恐れているのが、前述した多大なコストをかけて採用してもすぐに辞められるケースです。

そのため、自分は採用されたら長期的に働いて貢献する意思があることをアピールすれば、好印象を抱いてもらえるでしょう。

退職理由を自己PRに繋げるように答える

面接で退職理由を聞かれた際に好印象を与えるには、退職理由を自己PRに繋げるのもおすすめです。

たとえば前職で育児関係の福利厚生が整っていなかった場合、「前職では出産後の時短勤務や昇給、残業代がなく、この環境で定年まで働くのは難しいと判断しました。私は育児をしつつ定年まで働きたいと考えているので、それを実現できる環境の整った御社を希望させていただきました」と説明しましょう。

退職理由を説明しつつ、定年まで働く意思があることをアピールできていますし、子どもが出来ると退職する人が多いことに人事は悩んでいるので、育児をしつつ働く意思があることを強調している人は好印象です。

退職理由を志望動機に繋げて答える

面接で退職理由を聞かれた際に、志望動機に繋げて答えるのも効果的です。

退職理由を説明した後にそのまま、「~~ですので、今度は自分の経験を存分に活かせる環境でキャリアアップを目指したいと思い、御社を志望しました」というように志望動機までつなげて話しましょう。

嘘の退職理由は言わない

退職理由を正直に伝えるとマイナスになってしまう事が多いのは事実ですが、かといって嘘の退職理由は言わないようにしましょう。

嘘の退職理由を伝えれば確かに面接官からは好印象かもしれませんし、嘘の内容によってはバレる確率もほとんどないでしょう。

しかし、万が一入社した後に嘘が発覚すれば、一気に職場に居づらくなったり、最悪の場合は解雇に繋がる可能性があります。

前向きな気持ちで転職を考えていることを伝える

面接では後ろ向きに退職理由を伝えるより、前向きな気持ちで御社を志望していることを伝えた方が好印象です。

職場に不満があって辞めるわけではなく、自分を成長させるために転職を決意した、といった方向に持っていくのが良いでしょう。

たとえば前職で昇進や昇給が望めなくて退職する場合であれば、「現在の職場は上司や同僚にも恵まれており、できればこのまま勤め続けたいと思っておりました。しかし、制度的にキャリアアップを現在の職場では実現することが難しく、スキルを磨いてキャリアアップが狙える御社に応募させていただきました」とアピールしましょう。

会社に居づらくて辞めるのでなく、自分の将来のために転職をしたのだと面接官も納得してくれるでしょう。

前の会社の悪口は言わず、前向きな退職理由を伝える

退職理由で好印象を与えるには、前の会社の批判をしないことも重要です。

たとえば前職がブラック企業であったり、上司からいじめられていた場合、悩みや苦しみを退職理由として説明したくなるはずです。

しかし、悪いのは明らかに職場であったとしても、面接官は同情せず「この応募者はトラブルメーカーかもしれない」と心配し始めます。

また、応募者に非があるとは思われなくても、前職の悪口や愚痴を面接で言ってくる人材はマイナス印象を抱かれがちです。

退職理由に前職の不満を説明したい気持ちはわかりますが、悪口を言うのは友達レベルに留めておいて、面接の場ではポジティブな理由に切り替えることが大切です。

明るい表情で自信を持って話す

面接官に退職理由を話すときは、明るい表情で自信を持って話すことも大切です。

間違っても暗い表情で、自信がなさそうにウジウジと話してはいけません。

退職理由をオドオドと話すと、それだけでダメそう、仕事ができなそうな人材と判断されて採用で圧倒的に不利になります。

逆に明るい表情で自信を持っていそうな雰囲気を醸し出している人材は、それだけ採用される確率が上がるでしょう。

給与・残業・福利厚生を退職理由として挙げる場合は慎重に説明する

給与や残業・福利厚生を退職理由として説明しても、面接官には関係ないので響きませんし、逃げの転職と思われてマイナス印象を与える場合があるので慎重になりましょう。

例文の項目で説明したように、退職理由だけでなく仕事への意欲や貢献できる点などもセットで伝えた方が好印象でしょう。

たとえば、「前職は職場環境は恵まれていたのですが、仕事量が膨大で毎月120時間ほど残業と休日出勤をこなしておりました。残業時間はクラウドやWeb会議の導入で明らかに改善可能だったのですが、会社の方針として受け入れられませんでした。そこで御社のように柔軟な働き方を実践しており、効率よく働ける環境が整っている環境に転職を決意しました」といった風に説明すると、悪印象を持たれにくいでしょう。

面接で聞かれる退職理由に関するまとめ

今回は面接の退職理由の例文や答え方のポイントについて紹介しました。

面接で退職理由を話すときは先にお伝えした「プラス発想」や「明るい表情」も大切ですが、何より重要なのは面接官との信頼関係です。

面接官は上司や役員が担当することも多く、これから何年何十年と仕事を共にするかもしれないので、第一印象を決める面接では失敗が許されません。

好印象を持ってもらえるような退職理由を伝えながら、志望動機や自己PRも成功させることが内定の分かれ道になるでしょう。